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ジャニどもの学歴

1 :ななしじゃにー:02/05/23 16:13 ID:KCc35ffM
主なジャニタレの学歴
 中居正広:平塚学園高校中退後、都立代々木高校(定時制の高校)編入・卒業
 木村拓哉:千葉県立犢橋(こてはし)高校を中退後、都立代々木高校(定時制の高校)編入・卒業
 稲垣吾郎:堀越高校(いわゆる芸能コース)卒業
 草g 剛:堀越高校(いわゆる芸能コース)卒業
 香取慎吾:堀越高校(いわゆる芸能コース)を受験するも不合格。中卒
 長瀬智也:堀越高校(いわゆる芸能コース)を受験するも不合格。中卒
 赤坂 晃:堀越高校(いわゆる芸能コース)卒業、亜細亜大学中退
 城島 茂:私立奈良学園高校卒、大阪大学経済学部卒
 山口達也:埼玉県立草加高校卒
 松岡昌宏:堀越高校(いわゆる芸能コース)卒業
 長瀬智也:堀越高校(いわゆる芸能コース)を受験するも不合格。中卒
 森田 剛:埼玉県立岩槻北稜高校中退
 岡田准一:堀越高校(いわゆる芸能コース)卒業
 堂本光一:東海大学附属望星高校(通信・単位制の高校)卒業(五年かかって卒業した)
 堂本 剛:堀越高校(いわゆる芸能コース)卒業
 秋山 純:堀越高校(いわゆる芸能コース)卒業、帝京大学三年在学中
 小原裕貴:公文国際学園中学・高校卒業、亜細亜大学三年在学中(芸能界は引退)
 滝沢秀明:八王子実践高校中退(ほとんど行かなかったらしい)
 今井 翼:八洲学園高校新宿校(通信・単位制の高校)卒業
 大野 智:東海大学附属望星高校(通信・単位制の高校)中退
 桜井 翔:慶應幼稚舎・普通部・塾高(日吉)卒業、慶應義塾大学経済学部二年在学中
 相葉雅紀:東海大学附属望星高校(通信・単位制の高校)在籍、サポート校は聖進学院に在籍
 二宮和也:立志舎高校(通信・単位制の高校)在籍
 松本 潤:堀越高校(いわゆる芸能コース)三年在籍 風間俊介:都立小岩高校(全日制)三年在籍
 生田斗真:堀越高校(いわゆる芸能コース)二年在籍 山下智久:堀越高校(いわゆる芸能コース)一年在籍
 長谷川純:堀越高校(いわゆる芸能コース)一年在籍 亀梨和也;都立水元高校(全日制)一年在籍


ププ

2 :ななしじゃにー:02/05/23 16:20 ID:4m7qpDyk
>城島 茂:私立奈良学園高校卒、大阪大学経済学部卒

これシャレだよね(笑)
城島は奈良県立奈良商業卒 さんまの後輩

3 :ななしじゃにー:02/05/23 16:27 ID:SmztfHzA
激しくガイシュツ

4 :ななしじゃにー:02/05/23 16:28 ID:za5/e5Fs
城島リーダー阪大卒って嘘だろー。高卒の間違いじゃない?
マジバナなら今頃フツーにエリートだよ(藁

5 :ななしじゃにー:02/05/23 16:31 ID:kJyAofWo
>2
ちょっと前に長老スレで勝手にそう言って学歴詐称だと騒いでたのがいたな。
ネタとして楽しませてもろたが(w

そういえば表に中堅がいない。

6 :ななしじゃにー:02/05/23 16:35 ID:pxLry0DM
長老の学歴に対するデマも
このスレ自体も激しくガイシュツだと思うのだが
1は転載だし、長老以外にもチラホラ間違いがあるらしい。

7 :ななしじゃにー:02/05/23 16:39 ID:J3OxtFJg
長老が奈良商出身だってのは有名だって思っていたのだけど
結構知らない人いるんですね。

卒業アルバムの就職先に「蛇にーず事務所」と書いてあって
普通に事務で入ったみたいにみえると何かでおっしゃってました。

8 :ななしじゃにー:02/05/23 16:50 ID:xCtjSmsk
蚊取りと末っ子堀越芸不合格ってどんだけ頭悪いんだ?
偏差値幾つ???

9 :ななしじゃにー:02/05/23 16:52 ID:4m7qpDyk
末っ子が堀越へ入学してたら
浜崎あゆみと、まさに同級生になってたのにな。。。

10 :ななしじゃにー:02/05/23 16:55 ID:f0q.CSnY
ヒロスエも堀越不合格組。

11 :ななしじゃにー:02/05/23 16:56 ID:z8jjZgak
長瀬はマジで不合格なの?

12 :ななしじゃにー:02/05/23 16:57 ID:eL995tck
高校中退は中卒だよ。

13 :ななしじゃにー:02/05/23 17:04 ID:1PVgIJa6
広末って堀越も落ちるって凸よりバカなの!?早稲田なんか行くなよー!

14 :ななしじゃにー:02/05/23 17:07 ID:vqlZvJh6
堀越の修学旅行
どつよと山口さやかが笑顔で並んでます。

http://www.din.or.jp/~hori-ko/ExcursionJ.htm

15 :ななしじゃにー:02/05/23 17:21 ID:13gXf/Vw
芸能人って学歴どうでもよくないか〜?

16 :ななしじゃにー:02/05/23 17:24 ID:Ale16c6A
田代まさしなんてもう復帰だもんな。

17 :ななしじゃにー:02/05/23 17:38 ID:3EeSxpvQ
それでも>>1よりは稼いでいるわけだが。

18 :ななしじゃにー:02/05/23 17:41 ID:HOM9t1os
末っ子が2個ある

19 :ななしじゃにー:02/05/23 17:46 ID:5Du4MW8g
中堅がないんだけど・・何で?

20 :ななしじゃにー:02/05/23 22:27 ID:/MdJDrfj
言っていいかな・・・トニセンもそっくりないんだけど・・何でぇ?(泣

21 :ななしじゃにー:02/05/24 16:35 ID:JdLb32zs
中堅なし、トニもなし、☆もなし。
なぜか末っ子は2つある。
どういう基準で書いたんですか<<1は。

22 :ななしじゃにー:02/05/24 17:20 ID:D7EvKZI4
学年は去年のだし。

23 :ななしじゃにー:02/05/25 22:35 ID:EjhC5LyX
ぷっ。大卒が一人もおらんのか。

24 :書き溜め ◆3RpkmWIM :02/06/23 21:02 ID:ShJBRbRS
では、このスレをリサイクルで書き溜め職人編の
バトルロワイアルに使わせてもらいますです。
もう、勢いです。カナーリ勢いです(w 未熟者なので・・・。
で実は、様子見さんの後に代打屋さんが現れなかったら
その続きを書こうと考えてチョコチョコ作ってたものなので
最初の設定というか、少し重なる部分があります。
プロローグも結構長めなので、初日ということもあいまって
今日は大量にうぷします。これも勢いです(苦藁
皆さん、宜しくお願いいたします。それでは、又。

25 :とりあえずご案内@書き溜め ◆3RpkmWIM :02/06/23 21:06 ID:ShJBRbRS
代打屋さん(1)
http://tv.2ch.net/test/read.cgi/jan/1011446873/l50
代打屋さん(2)
http://tv.2ch.net/test/read.cgi/jan/1019298270/l50
パニックさん
http://tv.2ch.net/test/read.cgi/jan/1013240074/l50
完結さん
http://tv.2ch.net/test/read.cgi/jan/1018463833/l50

26 :日付変更前にはうぷにしに来ます ◆3RpkmWIM :02/06/23 21:28 ID:tAL0oW9C
     =参加者名簿=

 1、相葉雅紀   15、堂本光一
 2、稲垣吾郎   16、堂本剛
 3、井ノ原快彦  17、中居正広
 4、植草克秀   18、長瀬智也
 5、大野智    19、長野博
 6、岡田准一   20、錦織一清
 7、香取慎吾   21、二宮和也
 8、木村拓哉   22、東山紀之
 9、草薙剛    23、松岡昌宏
10、国分太一   24、松本潤
11、坂本昌行   25、三宅健
12、桜井翔    26、森田剛
13、城島茂    27、山口達也
14、滝沢秀明

27 :ななしじゃにー:02/06/23 23:08 ID:0Kfxzpik
書き溜めさんもがんがれ〜

28 :ななしじゃにー:02/06/23 23:11 ID:PHyLMRGY
楽しみにしてますよー。大量ウプも歓迎!

29 :1・別にプロローグの語りべが ◆3RpkmWIM :02/06/23 23:40 ID:ShJBRbRS

――あれ・・・俺、何でこんなとこに寝てんだ・・・?
仕事が終わって、それで・・・。
クラクラする頭を片手で押さえながら、桜井翔が起き上がる。
周囲を見渡すと、そこは見たこともない殺風景な部屋だった。
学校の教室くらいの広さだろうか。よく見ると黒板らしきものがあり、
椅子や机が無造作に並べられている。
薄暗いその部屋を見渡すと、嵐のメンバーも同じように床に寝転がっていた。
「おい!ニノ、相葉ちゃん、大野くん、マツジュン!!おいってば!!」
桜井は、一人ずつ体をゆさぶったり叩いたりして起こした。
う〜ん、という声を出して4人が目を開け身じろぎする。
部屋の暗さに慣れてきた目に、
その他にも大勢の人間がその部屋にいるのが映った。
ついさっきまで一緒に仕事をしていたJフレンズのメンバーや滝沢だけでなく、
少年隊やSMAPの姿まであることに気付いた。
――なんで、こんな所に?
まだハッキリしない頭をフル回転させ、桜井は記憶を辿った。
そうだ、今日は大阪ドームで年一回の恒例行事、運動会があった。
それで終わってバスに乗り込んで・・・。
『これから、事務所主催の祝賀会があるから。』
マネージャーがそう言っていたことを思い出す。だから、
運動会に参加していない少年隊やSMAPが今この場にいることは頷けた。
マネージャーからその話を聞かされた時、
一日中走ったり、飛んだり跳ねたり、踊ったりさせといてこれから祝賀会?
冗談じゃね〜よ、何の祝賀だよ〜と、嵐の5人で愚痴ったのも覚えている。
その時の様子を思い出して、桜井は口の端を緩めた。
これだけのメンバーの予定が合うことはなかなかないから・・・、
と言われれば仕方がない。
しぶしぶ着替えて――そう、用意されたバスに乗り込んだのだ。

30 :2・メインと言う訳でもありません ◆3RpkmWIM :02/06/23 23:43 ID:ShJBRbRS

TOKIO、キンキ、V6らと一緒のバスは、
まるで修学旅行か遠足のような騒ぎだった。
井ノ原快彦のバカでかい歌声が聞こえてきたと思ったら、
うるせぇ!と怒鳴る松岡昌宏の声。
甲高い笑い声をあげながら野次を飛ばす森田剛や三宅健。
そんな中でもひたすら眠り続ける城島茂、坂本昌行、大野智。
皆おもしれぇな〜なんて思いながら、桜井は隣に座る相葉雅紀と話していた。
松本潤は、滝沢となにやら談笑していた。
それから・・・。
そこで一旦、桜井の記憶は途切れた。
何か不思議な物音を聞いて、目を開ける。
いつの間にか眠っていたようだった。
空港はまだまだ先なんだろうか。
・・・だが、どうも様子がおかしい。
バスの中は静まり返り、皆が一様に眠りについている。
おい、と隣の相葉の身体を揺するも、ちっとも起きる気配がない。
と、前方の座席から滝沢の声がした。どうやら滝沢も今起きたらしい。
「なんだよ、これ・・・なんだよ。翼?翼・・・。」
あんなに焦って、何言ってんだ?
翼がどうしたって言うんだよ――そこで桜井が気付く。
そう言えば、このバスには今井翼の姿がなかった。
一緒に運動会には出て、競技には参加した。
なのに、そういえば今井はこのバスには乗っていなかった。
何か他の仕事でもあるんだろう、と安易にそう判断したし、
特に気を留めていたわけでもない。
だが、何でそのぐらいで滝沢があんなに慌てているのか、それが気になった。

31 :3・既に勢いだけの書き溜め(w ◆3RpkmWIM :02/06/23 23:45 ID:ShJBRbRS
すると、物音を聞きつけたのか、運転席の方から人が歩いてくる。
――誰だ、あいつ・・・。
そいつは、ガスマスクの様なもので顔を覆っている。
「おい!どういうことだよ!!」
滝沢がそいつに立て付いたのと、
その人物が何か棒の様なもので滝沢を殴るのとはほぼ同時だった。
そして、今度はそいつが自分の方に近づいてきて・・・。

そこで桜井の記憶は止まっている。
気付いたら、この何とも不可思議な部屋に横たわっていた。
なんか気持ち悪いな、シャワー浴びてくれば良かったよ。
寝覚めも悪いし最悪、と髪をグシャグシャとかきむしり、何気なく首に手をやる。
すると、手に何かヒヤリと冷たいものが触った。
なんだ・・・?これ。
金属製の首輪のようなものがついているのだ。
ガシャガシャ、とそれをいじってみるが、一向に取れる気配はない。
「ねえ翔くん、これ何だろ。」
同じことに気付いたらしい松本が、寝ぼけ眼で呟く。
「さぁ。」
訳が分からない。


32 :4/ ◆3RpkmWIM :02/06/23 23:46 ID:ShJBRbRS

「も〜気持ち悪いよー。せっかくシャワーしたのに汗ばんでるし。」
やけに高い声でそう言いながら、三宅健が立ち上がった。
だが、歩き出そうとして、一瞬フラつく。
「おいおい、酔っ払ってんじゃねぇの?」
すかさず太一が突っ込みを入れる。
「うるさいよっ。」
三宅が笑ってそう言いながらドアのある方に向かおうとした、その時。
ガラッ
大袈裟な音を立てて、戸が開いた。
バッ、と、部屋にいる27人が一斉に音のする方を見た。
「今井・・・?」堂本光一が、その名前を口にする。
黒服に黒メガネの男たち数人に囲まれて、
静かな足取りで入ってきたのは、今井翼。
黒板の前に立つと、スッとこちらに顔を向けた。
冷たい、瞳。
部屋にいる誰もが、その瞳の光にゾッとした。
同時に、部屋の中がざわめき始める。
何で俺たちがこんなところに?何で翼が?大体にしてここは一体どこだ?

33 :5・すみません、既に間違えた(鬱 ◆3RpkmWIM :02/06/23 23:48 ID:ShJBRbRS
そこでコホン、と今井が咳をした。
「皆さん、静かにして下さい。これから、一つのゲームを開始します。」
は?ゲームだって?それなら今日一日中、散々してきたじゃねーか。
祝賀会じゃないの?
そんな声があちこちから聞こえる。
「また筋肉番付かよ〜フザけんなだよなぁ!」
茶化したように松岡が笑いながら言う。
緊迫した空気をどうにかしようと、必要以上に大きな声で。
「もしかして延長戦?リベンジ?
これ以上ゲームやらせたら、リーダー死んじゃうって!」
そんな松岡の言葉に小さな笑いが起こり、部屋の空気がわずかに緩んだ。

「これから、皆さんに殺し合いをして貰います。」
部屋の空気は、その今井の言葉に、一瞬にして凍りついた。

【残り 27人】


34 :6・とりあえず15までいきます ◆3RpkmWIM :02/06/23 23:52 ID:tAL0oW9C

「へ?」
情けない声を漏らしたのは、誰だったろう。
だが、まさに皆そういう心境だった。何を言い出すんだ、こいつは。
そんな動揺などお構いなしで、今井の説明は淡々と続く。
「これから皆さんに、武器や水などを支給します。
それらを持って、一人ずつこの建物を出発して下さい。
ゲームの制限時間は24時間。その間どう動こうが、皆さんの自由です。
最後に生き残った一人が、このゲームの勝者です。
ここから帰れるのはその一人だけ。ですから皆さん、頑張って下さいね。」
穏やかな口調とは裏腹に、今井の表情・声色に感情は感じられない。
冷え切った、瞳。
「何だよ!何なんだよ、一体!大体お前が何で」
今井に向かって行こうとする長瀬を、急いで太一が取り押さえる。
「何すんだよ!だって・・・」
「やめとけ!」
太一の真剣な目にただならぬものを感じた長瀬は、
いささか不満げではあったがおとなしく元の位置へと戻りドンと腰を下ろした。


35 :7  ◆3RpkmWIM :02/06/23 23:54 ID:tAL0oW9C

「翼、お前何言って・・・」
滝沢がこわばった顔つきで苦しそうに言葉を吐き出したのは、
長瀬が座ったのとほぼ同時だった。
今井は床に座り込んだままの滝沢を一瞥すると、ニヤリと冷たく笑う。
「そうか・・・お前、知ってたんだっけ?」
その言葉に、滝沢の表情がさらに凍りついた。
「何?もしかして自分だけは逃れられるとか思ってた?
なのに俺がこうやって仕切ってて、悔しいんだ?え?」
今井はそう言って嘲笑う。
俯いた滝沢の頭が小刻みに震えていた。「・・・けんな・・・」
「ん?」
「・・・ざけんな・・・。ふざけるな!!」滝沢が今井につかみかかった。
咄嗟に周りにいた黒づくめの男二人が両脇から滝沢を取り押さえる。
「お前さ、いつも特別扱いで。いつも一番で。気持ち良かっただろうなぁ。」
懐かしむような目で空を見つめた後、滝沢に冷ややかな視線を浴びせた。
滝沢は男たちに取り押さえられながらも、今井につかみかかろうともがく。
「この話も聞いてたんだろ?こんな素晴らしいゲームの司会者。名誉だよね。
最初に指名されたのは滝沢。大先輩である中居くんを差し置いて。
ねぇ、中居くん。生意気でしょう?」
急に名前を呼ばれた中居正広は、一瞬ビクッと体を震わせたが、
チッと舌打ちをして今井を睨む。
その視線を感じ、フンと鼻で笑い、また言葉を続ける。
「何で断るんだよ〜馬鹿だなぁ。今まで色々やりすぎて、もう飽きちゃった?」
腕組みをした今井は下から滝沢を覗き込むような姿勢で、
わざと神経を逆撫でするようにそう言う。

36 :8  ◆3RpkmWIM :02/06/23 23:56 ID:tAL0oW9C
「翔くんだってさ、そう思わない?」
そう言われた桜井はドキッとして、思わず視線を逸らす。
「大野くんも、ねぇ?」
大野は表情は変えずに、真っ直ぐに今井を見つめ返した。
「こんなの・・・嘘だと思ってたんだよ。信じたくなかった。」
ポツリとつぶやくように滝沢がこぼした。今井は黙って聞いている。
「本当だとしたって、なおさら出来るわけがないじゃないか!
皆に・・・殺し合いをさせるだなんて!!」
その滝沢の台詞や必死な様子に、26人がヒュウッと息を飲んだ。
(本当・・・なのか?)
誰もが冗談だと思っていた、そう思いたかった。
だが、あの滝沢の様子は尋常ではない・・・。
身の毛がよだつような、ゾワッとした恐怖が体を走る。
「翼・・・、お前には分からないかもしれないけど、
俺はいつだって・・・俺だって・・・!!」
滝沢は悔しそうにもがきながら、今井に詰め寄ろうとグイグイと体を揺さぶる。
だが、滝沢を押さえ込む男たちの呪縛からは逃れられない。
「それに、自分だけが生き残ろうだなんて、そんなこと・・・」
激しく顔を左右に振った滝沢から飛び散ったのは
汗だろうか、涙なのだろうか。
「お前・・・自分が何しようとしてるか解って・・・」
「・・・タッキーさっすが、かっこいー。」
滝沢が言い終わらないうちに、今井の声が重なる。


37 :9  ◆3RpkmWIM :02/06/23 23:57 ID:tAL0oW9C


――ピッ。
何かの電子音が聞こえた。
滝沢の首輪が、小さな赤い光を点滅させている。
まるで、何かのカウントダウンのように。
今井の手の中に握られている、リモコンの様なそれを確認した滝沢は、
何かに気付いたようにギョッとした目で今井を見る。
震える片手を今井に向かって伸ばした。
滝沢を押さえていた男たちが、スッと離れる。
「や・・・やめ・・・」

パーン!!!!



38 :10・胸が痛い書き溜め ◆3RpkmWIM :02/06/24 00:00 ID:yUeXF9p5

何かが破裂するような、不思議な音がした。
同時に、ぐしゃりと何かが弾け飛ぶような鈍い嫌な音がしたかと思うと
その爆破の衝撃で、滝沢の身体が後ろにドサッと倒れた。
「うわぁぁぁぁぁ!!!」松本が狂ったように叫び出す。
首から上が、ない・・・滝沢の・・・。
その叫び声に何が起こったかを気付かされ、
部屋中からギャア!という声が上がる。
弾け飛んだのは、滝沢の頭だった。
不自然に切れたその首から、勢いよく赤い鮮血が吹き出している。
「ヒィッ・・・」
そこら中に飛び散った、かつて滝沢の顔であった肉片や血を避けようと、
近くにいた嵐のメンバー達がザザザッと部屋の後ろへ後ずさった。
「ウッ・・・」城嶋が口に手を当てる。
その、あまりにむごすぎる死。
胃からこみ上げてくる吐き気・・・。思わず嘔吐する者もいた。
信じられない惨状を目の当たりにし、
あちこちから意味不明な叫び声や泣き声が聞こえる。
声もなく座りこんだまま、ガクガクと震えてる者もいた。
滝沢の首からは、まだドクドクと赤黒い血が流れ続けている。

「あ、ごめん滝沢。首輪に爆弾付いてるって言い忘れちゃった。
俺まだ慣れてないからさ、司会。」

【滝沢秀明 死亡  残り26人】


39 :11・ゲームの理由付け等 ◆3RpkmWIM :02/06/24 00:02 ID:yUeXF9p5

誰もが、目の前で起こったその現実を受け止められず、ただ呆然としていた。
(翼が、滝沢を殺した。)
翼は表情を変えることもなく、タオルで顔に浴びた滝沢の返り血をふき取っている。
――これは夢なのだろうか・・・悪い、夢なのだろうか・・・。
誰もがそう思いたかった。
だが、床に転がる滝沢の死体や、部屋中に広がる生臭い血の臭いは
あまりにも、生々しい。

「ここは無人島です。この島を出る方法はたった一つ。さっきも言いましたが、
最後の一人になることです。海を泳いで渡ろうなんて考えても無駄です。
周辺の海は禁止区域になっています。
これからゲームの途中で禁止区域をどんどん増やしていきますが、
そこに入ると今の滝沢の様に爆破装置が作動しますので、
気をつけて下さいね。あ、それから首輪には発信装置も付いてますから。
まずは朝7時に、その後22時までの間に5時間おき計4回の放送を流します。
その度に、それまでの死亡者と禁止区域をお伝えします。禁止区域は
時間ごとに変わりますので、聞き逃さないように注意して下さいね。」
目の前に広がる無残な滝沢の死体にも目もくれず、淡々と今井の説明は続く。


40 :12・無理矢理ですみません ◆3RpkmWIM :02/06/24 00:04 ID:yUeXF9p5
「何のためにこんな事するんだ?」
部屋の後方から冷静な声が聞こえた。錦織一清だ。
「このゲームの目的・・・ですか?」
今井は、少し考え込むように聞き返す。
「俺たちに殺し合いをさせてどんな利益がある。事務所の考えたことなのか?」
それを聞いた今井は、クスッと笑みをこぼす。どこか自嘲気味な笑みだ。
「事務所が滝沢を殺すような真似するわけないでしょう。他の人ならまだしも。」
その言葉に、26人の顔に複雑な色が浮かぶ。
「皆さん、ご存知ですか?国防のための戦闘シュミレーション。
そういうプログラムがあるってこと。・・・知ってるはずないですよね。」
そう言うと、今井は黒板に何かを書き始めた。
“バトルロワイアル”
白いチョークで浮かび上がったのはそんな文字だった。
唾を飲む音まで聞こえてしまいそうな程、室内は静まり返っている。
「どこの世界の人間も汚いですけど、国自体も腐ってるわけですよね。
人を殺し合わせて、更にそれを殺し合いのためのプログラムとして利用しよう、
って言うんですから。ハハッ。」
今井の笑い声だけが、不気味に響く。
「・・・でも、よく考えてみたんですよ。
そんな腐った人間でも、その命をもって何かの役に立つ事が出来る。
人が生きるのも死ぬのも、非常にやっかいで邪魔くさい事ですけど、
このゲームに参加する事で、少なくともそこに生きた意味が、価値が生まれる。
死ぬ事にも大きな価値が生まれる。素晴らしいじゃないですか。」

41 :13  ◆3RpkmWIM :02/06/24 00:07 ID:yUeXF9p5
「なんで・・・なんで、俺たちが・・・」
どこを見るともなく、二宮が小さく呟いた。
「敵が多い、って事ですよ。僕らには。」
「買われたのか?お前は。」
錦織は、相変わらず冷静にそう聞いた。
「やめてくださいよ、これ以上この部屋に死人を増やしたくない。」
今井は一つ息をして、言葉を続ける。
「僕らを潰したいと思ってる連中はたくさんいるんですよ。
解るでしょう?でも僕らはあまりにも生ぬるい世界にいた。
切り捨てられた奴らもいるけど、ここにいる人間は皆、
守られてきたんだ。そうですよね?」
室内が、シーンと静まり返る。
「誰かがなんとかしてくれる、なんとかなるだろうなんて。
そんな甘えはもう通用しません。この世界の厳しさを味わって、
自分の力で生き残り、価値のある人間になってください。」
――そんな無茶苦茶な論理があるかよ。
そう思いながらも、誰も、何も言えなかった。

するとその時、
それまで黙って机に腰掛けていた木村拓哉がゆっくりと口を開いた。
「お前も、守られてたんじゃないのか?」
今井はその言葉に少し考えて、「僕は皆さんほど、報われてないですから。」
と、やんわりと言う。
「そうか。」
木村はそれだけ言うと、再び窓の外に目をやった。


42 :14  ◆3RpkmWIM :02/06/24 00:08 ID:yUeXF9p5

何が、そういうことですだよ。ワケ分かんねー。
てゆーか、ねみー・・・。
森田は、今井を睨みつけながら目をこする。
朝早く起きて、かなりの運動をした後だ。
しかも、バスでも井ノ原が寝かせてくれなかった。
眠気に加えて、都合のいいその今井の言葉にかなり腹は立っていた。
だが、これが冗談でも何でもない、現実なのだということは本能的に感じた。
ムカついたからって、ここで暴れるほど俺だってバカじゃない。
フと森田は、隣にいる三宅の視線に気付く。
「・・・・ゴウ。」
その声と視線を、森田は意図的に無視した。
何を思っているのか、気付かないフリをしたかった。
分からないフリをした・・・。
しばらく森田の横顔を見つめていた三宅だったが、
やがて諦めたように視線を離した。


43 :15・とりあえずここまでです ◆3RpkmWIM :02/06/24 00:10 ID:yUeXF9p5

今井は、地図を使って簡単な地理説明をすると、何かの合図を送った。
すると戸が開き、そこからガラガラとやかましい音を立てながら
ナップザックを積んだ荷台を、軍服姿の男たちが運んでくる。
「では、これから一人ずつ名前を呼んでいきます。
呼ばれた人からここにあるナップザックを受け取って部屋を出てください。
中に入ってる武器は人それぞれです。自分で選びたければどうぞ。
この校舎も禁止区域になりますので、一度出たらもう戻れません。
何か質問はありませんか?あ、そうそう。
社長も副社長ももういませんから。何も心配せず、殺し合って下さいね。」
誰かが、ヒュウッと息を飲む音が聞こえた。
という事は、社長と副社長はもう既に・・・。

遠くの方の空で、不気味な雷がゴロゴロと低く鳴り響いていた。

【ゲーム開始 0時00分  残り 26人】



44 :ななしじゃにー:02/06/24 00:25 ID:Z5k3W1pA
大量更新乙カレー様です。
これからの展開が楽しみです。
ガンガレー!

45 :未熟者書き溜め ◆3RpkmWIM :02/06/24 00:41 ID:yUeXF9p5
ゲーム始まるまでが長くてすみません。
なので、後程もう少し更新しようかと思います。
こんなに突っ走るのは今日だけです(w
明日からは少しずつ逝きますので。

46 :16  ◆3RpkmWIM :02/06/24 01:22 ID:2RNLOppw

「相葉雅紀。」
突然自分の名を呼ばれ、なかなか立ち上がれないでいる相葉に
早く出ろ!という軍服姿の男の怒号が飛ぶ。
慌てて立ち上がると、渡された荷物を手に急ぎ足で教室を出て行った。
どうやらアイウエオ順の名簿の通りに呼ばれているらしい。
相葉から始まり、大野、岡田が次々に部屋を出て行く。
「次、木村くん。」
今井がその名を呼ぶと、静かな足取りで木村が歩み出る。
「じゃあ、この荷物を」
今井が荷物を渡そうと差し出したその腕を、木村がガッチリと掴んだ。
「甘っちょろいのはどっちか教えてやるよ・・・。よく覚えとけ。」
木村は、すかさず取り押さえようとする黒づくめの男の手を払い、
手渡されたナップザックを肩にかけると、ゆっくりと部屋を出て行った。


47 :17  ◆3RpkmWIM :02/06/24 01:24 ID:2RNLOppw

一人ずつ人数が減っていくのを見つめながら光一は考えていた。
どうにか・・・、どうにか出来ないのだろうか。
このまま皆、バラバラになって殺し合いをするしかないのか。
ぐるりと部屋全体を見渡す。
さっきとは、微妙にだが空気が違うように感じられる。
もう既にヤル気になっている者もいるのかもしれない・・・。
そう考えつつ、疑心暗鬼になっている自分も嫌だった。
皆を、疑ってる?殺されるんじゃないかって?
そりゃそうだ、皆死にたくないはずだ。俺だって、死にたくなんてない。
生き残れるものなら、生き残りたい。だけど・・・。
光一は静かに、少し離れたところにいる堂本剛に目をやった。
つよしもその目線に気付き、黙って見つめ返してくる。
何を、思っているのだろう。一緒に逃げる?そうじゃない。そんなことは無理だ。
――出来れば、もう会いたくない。
そう思った。
次に出会ったら、もしかしたらつよしを殺してしまうかもしれない。
殺し合い、という常識の範囲を超えた空間の中だ。
何がどうなってしまうのか、全く予想がつかない。
絶対にそんなことはしない、と言い切れる自信がなかった。
だけど・・・。
お前を殺すのも、お前に殺されるのも嫌だ。
お前が誰かを殺すのも、お前が死んでるのも見たくない。
きっとつよしも同じことを思ってるのだろうな。
そんなことを、漠然と思った。



48 :18  ◆3RpkmWIM :02/06/24 01:26 ID:2RNLOppw

校舎を出た稲垣吾郎は、青い顔で学校の裏手に向かって歩いていた。
何処かに行こう、という気にもなれない。もう、とにかく混乱していた。
殺し合い、武器・・・・
そんな言葉と、目に焼きついて離れない滝沢の無残な死体。
それらがグルグルと頭の中を回っていて、とても落ち着けやしなかった。
馬鹿げてる、こんなの馬鹿げてる!きっと夢だ、夢に違いないんだ・・・。
そうだよ、僕たちは芸能人なんだから。
殺し合いなんてしなきゃいけない意味が分からない。
大体何だよ、ここは何処なんだ!!
混乱する頭を抱え、うぅと呻きながら倉庫らしい建物に入ろうとした。
とにかく隠れたい。
誰とも会いたくない・・・!!
その時だった。

「稲垣?」
名前を呼ばれて、情けない話だがヒィッという声をあげてしまう。
声をかけてきたのは、稲垣のすぐ後に校舎を後にした植草克秀だ。
「な、な、だ・・・だ・・・」混乱のあまり、思うように口も回らない。
「どうしたんだよ、そんな青い顔して。具合でも悪いのか?」
そう言いながら少しずつ近づいてくる。
暗くて、稲垣からは植草の表情がよく見えない。
(こわい・・・コワイコワイ!やめろ、こっちに来るな!一人にしてくれ!!)

49 :19・鯛担の皆様、すみません ◆3RpkmWIM :02/06/24 01:32 ID:v2Ghrzea
「う・・・うわぁぁぁ〜〜〜!!!」
錯乱状態で、手近にあったものを手当たり次第に植草に向かって投げつける。
「な・・にすんだよオマエ!・・・痛ぇっ」
稲垣が投げたものの中に、彫刻等の様なものがあったらしい。
どうやら植草の頬をかすめたらしく、そこから一筋の血が流れていた。
それを見てフと我に返った稲垣が
すいません!と声をかけようとしたのも、つかの間。
「んの野郎ぉぉ・・・・!!」
植草の表情が、みるみるうちに鬼の形相に変わった。
そこにあった子供の頭ほどの大きさの石で稲垣の頭を思い切り殴った。
人間が、悪魔と化した瞬間だったのかもしれない。
稲垣は、痛い!と思った次の瞬間、既に床に倒れていた。
「・・んがぁぁっ!」
植草は倒れた稲垣に馬乗りになると、手にした石で何度も何度も
稲垣の顔、頭、顔、顔、頭・・・手当たり次第に殴りつけた。
抵抗する暇さえも与えなかった。
骨を砕く音、肉をグシャリ、と潰す嫌な音だけが、倉庫に響き渡る。
植草は、石を握る手が痺れて動かなくなるまで殴り続けた。
気付いたとき、もう既に稲垣の頭部はめちゃめちゃに潰れ、
稲垣のそれとは判別がつかない状態だった。髪の毛は血まみれで、
ただの物体と化したその肉の塊にこびり付き、不気味な姿をさらしている。
はぁはぁと体中で大きく息をしながら植草は黙って立ち上がり、
しばらくその物体を眺めていたが、やがて恍惚の表情を浮かべた。


50 :20  ◆3RpkmWIM :02/06/24 01:35 ID:yUeXF9p5

訳が分からなくなっていた。
とにかく、自分が殺した。今、この手で。稲垣を。
血にまみれ、とても人間とは思えない形状の稲垣の顔。
血にまみれ、とても自分のものとは思えない、この手。
もう、訳が分からない。自分が自分じゃない。
だけど、とにかく俺がやってやったんだ・・・。
殺せるもんなんだな、人って。簡単に死ぬもんなんだな、人間なんて。
あっけなく、非常にあっけなく稲垣はただの肉の塊になった。
「ハ、ハハハハ」
何故だか可笑しくてたまらない。
くっ、くくく、と押さえても笑いがこみ上げる。

植草は、自分の頬を傷付けた彫刻刀をナップザックに放り込むと、
稲垣の分の荷物も手に取り、急ぎ足でそこを立ち去った。
血の匂いと、壊れた人形のように横たわる稲垣の身体、
そして不気味な静寂だけが、そこに残った。

【稲垣吾郎 死亡  残り25人】



51 :書き溜め ◆3RpkmWIM :02/06/24 01:40 ID:yUeXF9p5
このままだとキリがないのでここで止めますね(w
日々精進しますので、宜しくお願いします。

52 :ななしじゃにー:02/06/24 02:39 ID:LEdv9EPG
乙ー、読み応えあります。

53 :ななしじゃにー:02/06/24 10:54 ID:ezi5hGOG
乙!すごい楽しい。
中途半端なつが基準で、だからこそ・・・というのが面白い。
続き期待いたします。

54 :ななしじゃにー:02/06/24 12:47 ID:w9f+33Gv
鯛担です。
いつも早死にしてた克が、ここで初めてやっちゃっいましたね(w
謝ることなんかないですよ。
楽しみにしてますので、ガンガレー!

55 :21・今日も勢いです書き溜め ◆3RpkmWIM :02/06/25 00:01 ID:VuNmEAxX

相葉は、校舎横の林で他の誰かが出てくるのを少し待っていた。
荷物を確認したところ、相葉に武器として与えられたのはアイスピック。
何とも頼りない。
接近戦であれば十分凶器になりうるものだが、
相葉にとってこれは、あくまでも人を殺す道具なんかじゃなかった。
少なくとも今までそんな必要がなかった。
それを、そんな風に使おうなんて思ったことがない。
誰か、一緒に行動できる人がいないかと、そう思っていた。
生き残れるのは一人、というルールを忘れているわけではなかった。
でも、とにかく誰かと誰かと一緒にいた方がいい。そう思ったのだ。
稲垣は校舎裏へ向かって行ったが、気軽に話しかけるような関係でもない。
続いて出てきた井ノ原の姿を見て少し安心した相葉だったが、
だからと言って声をかける勇気はなかった。
植草は、稲垣と同じように校舎裏へ消えていった。
次々に出てくる人間を見送っていた相葉だったが、
次に出てきた大野を見て、やっと本当にホッとした。「大野くん!」
自分では大きな声で呼んだつもりだった。だが、無意識のうちに躊躇して
小さい声になってしまったせいか、その声は大野には届かなかったらしい。
その大野はと言うと、全く立ち止まる事もなく、
こちらに目を向けることもなく、真っ直ぐに歩いていく。
ただ、走って追いかければいいだけの話だった。そして呼び止めて・・・。
でも、何故か相葉はそうしなかった。
テンポよく歩みを進める大野の少し後ろを、静かに着いていくことにした。


56 :22・いつまで持つんでしょうか ◆3RpkmWIM :02/06/25 00:04 ID:VuNmEAxX

坂本は、一人ずつ呼ばれていくのを見ながら
いつ自分の番がくるのかと、不安と恐怖に押しつぶされそうだった。
だがその時、スッと床に落とされた紙切れが目に入る。
読みにくい走り書きだったが
『 皆で集まってどうするか考えよう。灯台で。 太一 』
と、そう書かれていた。
――そうか、そうだよな。殺し合いだなんて馬鹿げてる。
その紙切れを確認するとすぐに、坂本の名前が呼ばれた。
・・・どうする?
この紙を、誰に渡すのか。
むやみやたらに渡しても危険なハズだった。
疑いたくはないが、周りの空気が最初とは変わってきている事くらい、
よく分かっていた。
「坂本くん。」
立ち上がろうとする坂本に、不安そうに三宅が声をかけた。
「大丈夫だ。」
前を向いたまま精一杯落ち着いた声を出す。
だが強がってはみたものの、自然に声が震えてしまう。
馬鹿やろう、怖ぇのは俺も同じだ。
だけど、いくらなんでもお前よりビビリになるわけにはいかないからな。
そっと三宅の前に紙を置き、その肩を軽く叩く。
太一や井ノ原はもう部屋を後にしている。とりあえず、目指すのは灯台。
全てはそれからだ。


57 :23・とりあえず26まで逝きます ◆3RpkmWIM :02/06/25 00:07 ID:sSM9H4e6

「次、桜井くん。」
ようやく自分の名前が呼ばれた。
相葉と大野は既にこの部屋を出て行った。
自分も、とにかくここから出たい。そう思って少し急いで立ち上がる。
だが長い間座っていたせいの痺れと緊張とで、一瞬よろめいた。
体勢を立て直しつつ、桜井はフと松本に目をやった。

滝沢が殺された直後から、松本の様子がおかしい。
相変わらず石のように固まったまま、滝沢の死体をただ見つめている。
(無理もないよな、滝沢くんに可愛がられてたし・・・)
相当なショックに違いない。
個人的な交流が少ない桜井でも、かなりの衝撃を受けていた。
この状態のままで外に出たら危険だと思い、何回も小声で話しかけていた。
だが、桜井が声をかけようとも、時には身体を揺らそうとも松本は全く反応しない。
ずっと、ただずっと、床に転がる滝沢の死体をジッと見つめている。
視線を外そうともせずに。
松本がうわ言のように、小さな低い声で何かを呟きはじめた時もそうだった。
その様子に気付いた大野が、なかば慌てて「マツジュン?!」と声をかけたが、
その声は松本の耳には届いていないようだった。
少し固まりはじめた赤黒い滝沢の血を、楽しそうに眺めている。
そのただならぬ様子に気付いた大野は、伸ばしかけた手を即座に引っ込め、
黙って部屋を出て行ったのだ。


58 :24  ◆3RpkmWIM :02/06/25 00:10 ID:sSM9H4e6

「翔くん。」少しせかすような今井の言葉が聞こえる。
「あ、あぁ。」
仕方なく桜井は今井に近づき、ナップザックを受け取った。
部屋を出る前に、もう一度だけ振り向く。
だがそれでも松本の視線は、滝沢の遺体に注がれたまま動かない。
桜井は諦めて部屋を出た。

次々に名前が呼ばれ、一人また一人と教室を後にしていった。



59 :25  ◆3RpkmWIM :02/06/25 00:14 ID:sSM9H4e6

比較的早く部屋を出た香取慎吾は、
校舎の側の森にどっかりと腰を下ろし、荷物の中身を確認していた。
叫び声、誰かが走り去る音、色んな音が聞こえたが構うこともなく、
とりあえず自分の荷物の確認が終わるまではそこを動こうとはしなかった。
「おっ、当〜たり〜!」
アイスか何かのオマケの当たりが出たように、嬉しそうな声を上げる。
香取の手の中にあるのは、黒い拳銃。コルトガバメント。
かっこいいなぁ〜、とまるで子供がオモチャを与えられた時のように瞳を輝かせた。
その他にも地図や食料など、全てを確認する。
「ヨシッ・・・」勢い良く立ち上がり、ナップザックを肩にかける。
手の中にある拳銃を見つめながら、ニコリと笑った。
すると、ちょうど校舎から誰かが出てくるのが見える――嵐の二宮だ。
青い顔をして、無我夢中で歩いてるといった感じだ。
「余裕ねぇなぁ、あいつ。」
香取の呼吸が一瞬、止まる。
腕を伸ばし、手の中にある拳銃を、構えた。
バーン!!
すごい音がした。
「うわぁぁあぁっ!!!」
それと同時に、その狙った先から二宮の叫び声が聞こえる。
――当たったか?!
ガサガサと慌てて走り去る音が聞こえた。「チッ、外したか!」
だが、その台詞に反して、口元が思わず緩む。
「おもしれ〜・・・。」


60 :26  ◆3RpkmWIM :02/06/25 00:18 ID:VuNmEAxX

――なんだよ!なんなんだよ!!
慎吾くんが、俺を撃った・・・。
あの声は、確かに慎吾くんだった。そうに違いない!
二宮は、暗い森の中を必死で走っていた。
右手で押さえている左肩からは、赤い血がドクドクと流れている。
「撃たれたのが心臓とかじゃなくて、これって・・・運が良かったのかな。」
ヘヘッ、と力なく笑って、なおも走り続ける。
だが、予想以上に肩の傷は重いようだ。
肩に力を入れた瞬間、鋭い痛みが電流のように走った。
「痛ぇっ!」クッ、と声を出して二宮はその場に膝をつく。
イヤな汗が顔や身体に流れる。
「やっばいかも・・・。」
自分に武器として支給されたのはただのロープ。
これじゃ拳銃には太刀打ちできない。また一つ笑うと、
傷の痛みに顔を歪め、側にある木に寄りかかって座り込んだ。
「早く誰か来てよ〜おーい・・・」
小さな子供のように、膝の間に顔を埋めて泣きそうな声でそう呟いてみる。
(何かカッコ悪ぃなぁ俺。)
そして、またヘヘッと小さく笑った。



61 :やっぱり難しい・・・書き溜め ◆3RpkmWIM :02/06/25 00:25 ID:VuNmEAxX
レスくれた皆さん、ありがとうございます!
書き溜まったら夜明けまでに少し更新するかもしれないですが
とりあえずここまでです。

62 :ななしじゃにー:02/06/25 00:39 ID:nvD4tVcI
乙カレー!これから読ませていただくでし。

63 :ななしじゃにー:02/06/25 00:42 ID:xPfxTEVi
おおお、おっつーです、書き溜めさん。
松潤と慎吾が壊れかかっているのかな?
続き楽しみです。がんがって下さい。

64 :ななしじゃにー:02/06/25 06:34 ID:tygZSMT9
慎吾こえぇ〜。テンポ良い更新で楽しいです。これからもガンガッテ!

65 :スロースターター書き溜め ◆3RpkmWIM :02/06/25 23:15 ID:sSM9H4e6
自分で書いといてなんですが、慎吾よりコエェ奴がいるんです(恐
その人物が始動するのはまだちょっと先なんですが。
視点がコロコロ切り替わるので、分かりづらくてすみません。
今日は27〜31まで更新予定です。

66 :27  ◆3RpkmWIM :02/06/25 23:28 ID:sSM9H4e6

教室に残っている人数も少なくなってきた。
一人が出発してから次の名前が呼ばれるまで、約2分。
東山が部屋を出ようとしたまさにその時、外から銃声がした。
それと同時に、うわぁぁっ!という悲鳴。
三宅は、坂本から渡された紙をギュッと握り締めた。
大丈夫、大丈夫、と自分に言い聞かせる。
とりあえずここを出たら、皆の所に行こう。
この紙を誰かに渡そうと、ずっと考えていた。だが、なかなか出来なかった。
肝心の森田は、隣にいながらも相変わらずこちらをチラとも見ようとしない。
――ゴウはともかくとして・・・。
怖かった。これを渡しても、その人がもしヤル気だったとしたら。
裏切られたら嫌だ。自分も、集まった皆も殺されるかもしれない・・・・。
そうやってぐずぐずとしぶっているうちに、とうとう松本までが部屋を出発した。
次に呼ばれるのは三宅。
――俺の後に出てくんのはゴウだよな・・・。
校舎を出て来たところで、この事を話そう。
そう思って、また紙を強く握った。
自分自身を精一杯奮い立たせるように。

三宅は校舎を出た後、入り口が見える林の中に身を隠していた。
先に出発した人間がまだ近くにいないか、後ろを、前を警戒しながら。
2分という時間がこんなに長いものだとは思わなかった。


67 :28  ◆3RpkmWIM :02/06/25 23:30 ID:sSM9H4e6

程なくして、森田が俯きがちに早足で出て来た。それを見て急いで駆け寄る。
「ねぇ、ゴウ!これね、これ。坂本くんが。」
お守りのように手に握り締めていた
既にクシャクシャになった紙を広げて森田に見せようとする。
だが、森田は一向にその紙に目もくれず、顔を上げようともしない。
「お前さっきからなんなんだよ、こんな時に!殺されちゃうかもしれないんだぞ?!」
三宅はやや憤慨したように、森田の肩に手をかけて強く揺さぶる。
「・・・あぁ。」
ようやく森田は、絞り出すようにそう一言漏らした。
坂本がこの紙を回してきたこと、
自分も誰かに回そうと思ったが、そう出来なかったこと。
一人で早口でまくしたてる。
森田はそれでもまだ顔を上げずに、ただ黙って聞いていた。
「だからね、早く行こう。俺ね、松本が危ないと思うん」
三宅の言葉を待たずに、
それまで俯いていた森田がハッと顔を上げて後ろを振り返った。
そしてその次の瞬間、森田は咄嗟に三宅を突き飛ばした。
「なっ・・・」

ヒュンッ!!



68 :29  ◆3RpkmWIM :02/06/25 23:33 ID:VuNmEAxX
突き飛ばされ勢いよくしりもちをついた三宅だったが、
それ以上に、風を切って飛んできたものに驚愕した。
――な、なんだ?矢?!
唖然とした表情で、それが飛んできた方向を見る。
少し遠くの方で、山口達也がボウガンを構えてこちらをジッと見据えていた。
まだ動く気配はない。二人の様子を黙って伺っている。
「健!逃げろ!」森田が慌てて、声を抑えて叫んだ。
しりもちをついたままの体勢でもたもたする三宅にチッと舌打ちをすると、
その腕をつかんで無理やり立たせた。
「一緒にいたらかえって危ねぇから!お前はあっちに逃げろ!!」
二手に分かれよう、という森田の提案に、三宅は「でも・・・」と食い下がる。
「坂本くんが・・・」「分かってっから!あっちで会おう!!」
三宅の言葉をさえぎると、その身体を強引に押した。「走れ!」
森田の勢いに負け、しぶしぶ頷くと
「じゃあ、待ってるからな。ぜってぇ来いよ!」と言い残して駆け出した。
走り出した三宅の背中を見届けると、森田は自嘲的に笑った。
「紙なんて、見てねぇけど・・・」
だが、森田にもゆっくりしている暇はなかった。
三宅が走り出したのを見て、山口がまたしてもボウガンの矢を放ったのだ!
目の前ををかすめた矢を危なくよけた森田は、
急いでその場から逃げ出した。
三宅が走り去ったのとは、全く別の方向に。



69 :30  ◆3RpkmWIM :02/06/25 23:36 ID:VuNmEAxX


山口は、その二人を無理に追うことはしなかった。
最後に自分が校舎を出た事で全員がこの島全体に散らばったことになる。
森田が教室を出て行った後、カラッポになった教室を見て、
山口は心までもがカラッポになったのを感じた。
――皆、出て行った。
そこにあるのは殺し合いの舞台だということを知っていて、
その舞台に自ら上がっていった。
太一が、何か走り書きのような小さなメモを回しているのが見えた。
だが、それが自分の所にまで回ってくることはなかった。
校舎を出てみればただ沈黙と暗闇が広がっているだけ。
誰かが、皆がそこで待っているかもしれない。
そんな期待は、見事に裏切られた。
「リーダー、太一、松岡、長瀬・・・。」
小さな声で、一人ずつ名前を呼んでみる。
もちろん答えは返ってこない。
そんなもんなのか?今までの年月は。思い出は・・・。
絆とか、友情だとか、仲間だとか。
今まで、そんな言葉を信じていた自分の全てを否定された気分だった。


70 :31  ◆3RpkmWIM :02/06/25 23:39 ID:sSM9H4e6
そんな山口の視線の先に、いつもと変わらぬ二つの影が映る。
――ここはカラッポの世界なのに、俺も一人でこうしてここにいるのに、
  な〜んでお前たちは一緒にいるんだよ・・・。
何故かは分からないが、無性に腹が立った。
そして、気付くとボウガンを構えていた。
矢は、キレイな弧を描いて飛んでいった。
狙いは外れたが、それを機に二人が散らばって逆の方に走り出したのを見て
何故か満足している自分がいる。
そんな自分もまた、寂しくて、空しくて、カラッポだった。
暗い空を見上げ、一度ガクンと首を落とすと、大きく息を吐いた。
生気を失って、まるで抜け殻のようになった山口はゆっくりと、歩き出した。



71 :ななしじゃにー:02/06/25 23:58 ID:1c0XXMua
乙です!
副将の心理がいいなぁ。☆と番長は再び出会えるんだろうか。
個人的には副将の心の穴が誰かによって埋められたら、と思うんですが…。
続きが楽しみです。がんがってください。

72 :ななしじゃにー:02/06/26 00:26 ID:CWZ/u37h
ダーク副将
キタ━(゜∀゜)━( ゜∀)━(  ゜)━(  )━(゜  )━(∀゜ )━(゜∀゜)━!!!!!

73 :ななしじゃにー:02/06/26 09:10 ID:K0GZwt+D
グッサン激渋!
男前だ・・・・。

74 :ななしじゃにー:02/06/26 10:59 ID:5lmYKy3W
書き溜めさん乙です。ペースが早くて嬉しい。
相変わらずの☆&番長にジンとしました…仲良くね

75 :32・出かける前にプチ更新 ◆3RpkmWIM :02/06/26 18:27 ID:BL9+4Cyg

城島茂は、まるで何かに追われるように森の中を走っていた。
暗いせいもあって、木の根っこや突き出た枝に邪魔をされ、
その度によろめいて転びそうになりながらも、
それ以上に倒れそうな精神を必死で保とうとするように、無我夢中で走り続けた。
だが、もう三十路を超えた(しかも普段運動などしていない人間の)体力は、
そう長くは持たない。
ゼェゼェという荒い呼吸、肺が今にもつぶれそうな感覚だった。
(運動会でエエかっこしようとせんで、適当に済ませて置けば良かったんや・・・)
それも今更な後悔やな。そう思った次の瞬間、自分の右足が左足に絡り、
走っていた勢いも手伝って見事なまでにすっ転んだ。
ズザザザ〜〜ッと、まるでコントのようにひっくり返った城島。
「・・・イタタタタ。何やってんねん!!俺はこんな時にまで・・」
そんな不甲斐ない自分に少しイライラしつつ立ち上がろうと思ったが、
どうやら出っ張った根っこか何かにぶつけて思った以上に腰を強打していたようで、
なかなか立ち上がれない。


76 :33・残りはまた今夜 ◆3RpkmWIM :02/06/26 18:30 ID:aifJiDkn
甲羅をひっくり返された亀のような自分の体勢。
あまりにも情けなくて、自分でプッと笑ってしまった。
だが、この島に来て初めて気持ちが緩んだような気もした。
――自分で自分笑かせてどうすんねん・・・。
けど、おもろいなぁ自分。
気持ちが和らいだのをいい事に、
地べたに寝転んだままようやく一つ深呼吸をした。
「何で殺し合いなんてせなあかんねやろ・・・。」ぼんやりと呟く。
別に誰のことも憎くない。殺したい、なんて思えるはずもない。
銃声が聞こえて、とにかく怖くてここまで逃げてきたはいいが、
これからどうすればいいのかなんて、思いつくはずもなかった。
「生ぬるい世界にいた、なんて翼に言われるとは思わへんかったなぁ。」
一応苦労してきたような気もするんやけど・・・・。
そんな事をぼんやりと考えていた。
と、その時だった。
ガサササッと音がして、自分の頭の方向から誰かが近づいてくるのが分かった。


77 :御伺い書き溜め ◆3RpkmWIM :02/06/26 18:46 ID:avCwMyBm
大体毎日5つずつくらいの更新を予定してるんですが
もっと先までいけそうな時はズンズン更新しちゃった方がいいでしょうか。

軽く予告です。ここから続けて何人か死亡者が出ます。
少し休んで、またそこからパタパタと・・・の予定です。

78 :ななしじゃにー:02/06/26 19:40 ID:zpCjkpR8
なんかリーダーらしいなあ。
和みの中に死の予感を感じてしまうのは私だけか……ドキドキ

>>書き溜めさん
いける時はズバッと進んじゃってくださると私のような
とにかく先の気になるせっかち者には嬉しいような。
でも、同じくらいずつの更新の方が焦らされる気持ちで
かえって楽しめるような気もしますねえ。うーん。
その辺は書き溜めさんの判断でいいのではないでしょうか?

79 :34・残り、36まで更新です ◆3RpkmWIM :02/06/27 00:42 ID:j3XCqyF5

――誰やっ?!
城島は、身体中の毛穴が開いて、そこから一斉に
水分という水分があふれ出したかのような感覚を覚えた。
「城島、くん?」それは、紛れもなく長野の声だった。
咄嗟の判断だった、それは、頭よりも早く体が判断した事だった。
恐怖を感じた次の瞬間、自分でも驚くほどの素早さで起き上がった城島は
ナップザックから自分の武器――手斧を手に取り、
奇声をあげて長野に襲い掛かった。
「うわぁぁぁあ〜〜〜」
ビュンッ!!
懐中電灯を手にあっけに取られている長野に向かって、勢いよく手斧を振り下ろす。
「うわっ!ちょ、ちょっと!!」
長野は、そのあまりに機敏な行動と鬼気迫る表情に驚いたものの、
サッと身を交わし横によけた。
ところが、その城島は手斧の重さにバランスを崩したのか、足がもつれたのか、
また前のめりに倒れこみそうになる。
「城島くん!」長野は慌てて、その身体をこちらに引き戻そうとした。
だが、あとちょっとのところでその手は城島には届かなかった。
「うわぁぁぁぁ〜〜〜〜!!!」
暗くて、足元が見えにくくなっていたのが致命的だった。
その先は、約3m程の崖になっていた。
城島は、あっけなくそこへ飲み込まれていった。


80 :35  ◆3RpkmWIM :02/06/27 00:44 ID:j3XCqyF5

ドスン!!
地面にその身体が叩きつけられる音とは別に、妙な音がした。
何か、何か妙な音が・・・。
と、その時、崖の下でまた別の気配がした。
その気配の持ち主は、突然目の前に転がってきた何かに驚愕の声を上げる。
「リ、リーダー!!!」
悲壮感に満ちたその声は、長瀬智也のものだった。
懐中電灯を持った長瀬が、そこに横たわる城島の身体を照らして
真っ青な顔をして立ちつくしている。
「城島くん!!」転げ落ちた城島の元に、長野が崖の上から降りてきた。
ながせ?、と、そう声をかけようとしたその時。
とんでもないものが長野の目に飛び込んできた。
城島の・・・、城島の頭部から顔面にかけて、斧がグサリと深くめり込んでいたのだ!
懐中電灯の光に不気味に浮き上がるその姿に、長野は一瞬言葉を失った。
そしてその異様な光景に、息を飲む。
もう、動かなくなったその身体をただ呆然と見つめていた。

【城島茂 死亡  残り24人】


81 :36  ◆3RpkmWIM :02/06/27 00:48 ID:xL3UJ0Xp

「長野くんが、長野くんが殺ったんすか・・・?」
静かな、低い声がそう言った。懐中電灯を持つ手が震えている。
「え?」と、長野が聞き返したのもつかの間。
怒りをあらわにした長瀬が、ものすごい勢いで飛び掛ってきた。
突然大きな身体に圧し掛かられ、長野はあっけなく地面に押し倒された。
長野は必死にもがき、二人はゴロゴロと転がりながらもみ合う。
「信じてたのに・・・皆のこと、信じてたんだよ!!ちくしょう・・・ちくしょう!!」
涙を流しながら、歯を食いしばって長野をグイグイと押さえつける長瀬。
息も絶え絶えに「事故だったんだよ!」と訴えたが、
その長野の叫びは我を失った長瀬の耳には届いていない。
馬乗りになった長瀬が、力任せに長野の頭や顔を殴る。
――このままじゃ、ヤバイ!
これまでに味わったことのない恐怖と焦りが長野を襲った。
殺さなきゃ、殺られるのか。こうやって、俺も人を殺すのか・・・?!


82 :ほろ酔い書き溜め ◆3RpkmWIM :02/06/27 01:02 ID:JpMAdtQg
>>78さん、レスありがとうございました。
スキーリキパーリ逝きたい部分と、焦らしたい部分の見極めが
なかなか難しかったりします。がんがりますね!

長老・・・そして担の皆様ごめんなさい。
書いてから気付いたんですが、
博様と末っ子の名字が似ていてあぶなく間違えそうでした(苦藁

83 :ななしじゃにー:02/06/27 02:19 ID:BG7TK/5D
お疲れさまです。ツッコミ入れてもいいですか?
博様は長老を「リーダー」もしくは「茂くん」と呼んでるはずです・・・。

84 :大慌て書き溜め ◆3RpkmWIM :02/06/27 08:42 ID:j3XCqyF5
ハッ! そうですよね、そうでした。
ほろ酔いで書くもんじゃない(鬱
あぁすみません、知ってたくせに・・・。自分で萎え萎えです。
逝ってきます・・・83さん、ご指摘ありがとうございました。

85 :ななしじゃにー:02/06/27 12:28 ID:FlqPOyvo
書き溜めさん乙彼様です。
サクサク更新されて嬉しいです。続きが気になる…
>83
博様は長老を「リーダー」とは呼ばないと思われ。「茂くん」で合ってると思われ。

86 :ななしじゃにー:02/06/27 14:29 ID:01dZrG1e
お疲れ様です。>>82 末っ子と博様の名字似てると言えば
昔、俺様が葉書読む時に長瀬君を長野君と間違えた事があったり(w

87 :37  ◆3RpkmWIM :02/06/27 23:52 ID:xL3UJ0Xp
その次の瞬間、二人の頭上で、パーン!!という銃声が響いた。
その音に驚いた長瀬はパッと長野から離れ、
暗闇の中に転がった自分の荷物を掴むと急いで森の中に消えていった。
長野はゴホゴホと咳き込みながらゆっくりと、
銃声のした方――崖の上に視線を向けた。「錦織くん・・・。」
その視線の先にいたのは、錦織一清。
身体の大きな長瀬と取っ組み合い、その上頭などを強く殴られたため、
未だボーッとしている長野を見てフッと微笑んだ。
しかも、どうやら威嚇のために打ったらしい拳銃をあごの下に当てて、
腰に手を添え、ふざけたキメポーズを取っている。
そして、何故だか知らないが妙に得意げなその表情。
長野は苦しそうに咳き込みながらも
場に相応しくないその態度が可笑しくて、小さく笑みを浮かべる。
笑顔はまだ固かったが、表情はかなり柔らかくなっていた。
その様子を見た錦織は、滑稽なポーズのまま満足気にウンウンと頷いた。



88 :38  ◆3RpkmWIM :02/06/27 23:56 ID:j3XCqyF5


パーン。
遠くの方から、また銃声が聞こえた。

――また、誰かが誰かを殺したんやろか・・・。
呆然自失といった表情で、堂本剛は島の東にある断崖の上から
眼下に広がる海を眺めていた。
校舎を出た後、真っ直ぐに、とにかく北へ向かって歩いてきた。
荷物の中身を確認することもなく。
波の音だけは、何があろうとも規則的に聞こえてくる。
ここで殺し合いが行われてる事など、大した事じゃない、とでもいうように。
相変わらず寄せては返し、時には白いしぶきを上げている。
何気なく覗いた校舎の裏手にある倉庫で、
稲垣の変わり果てた姿を見つけた時の事を思い出す。
それだけでも、恐怖で身体中が震えた。歯がガチガチと音を立てる。

89 :39  ◆3RpkmWIM :02/06/27 23:59 ID:JpMAdtQg
“誰かを殺して、生き残る。”
嫌だった。無理だ、と思った。
それは、人道的な見地だとか、正義に燃える心であるとか、
そんな格好のいい事ではない。
――そうや、俺は怖いんや。自分の手を血に染めるのも怖い、
   誰かに殺されそうになる恐怖にも耐えられへんねん・・・。
人殺し、という十字架を背負って生きていくなんて、生き地獄のようだと思った。
そんな“生”なら、俺はいらへん・・・。
恐怖に負けて、おかしくなってしまうかもしれない。
そんな自分も怖かった。嫌だった。
そう、最後まで誰も殺したくない。殺されたくもない。
だけど、それは自分の手を皆の血で汚したくないから。
こんな状況に置かれてまで、自分を綺麗なままにしておきたいという、
そんな心が何よりも、誰よりも醜く感じられた。
その自己嫌悪がまた、つよしの心を押しつぶそうとする。
小刻みに震え続けるつよしの目から、涙が溢れた。


90 :40  ◆3RpkmWIM :02/06/28 00:03 ID:xmCFYu3E

ごめん。ほんまにごめんな、みんな。
こんなにも弱い俺を許して。
だけど俺、みんなの事、本当に好きやってん・・・・
それだけは、信じてな・・・
どんな死に方したとしても、何をしたとしても、俺よりはマシや。
神様が皆を裁いたって、俺だけは許したる。
許す、なんて権利、俺にはないんかな。でも・・・
あっちで、待っとるからな。

ごめんな、みんな。

ごめんな、光一。

つよしが両手を大きく広げ、その身体が、宙に浮いた。
まるで、空を飛ぶかのようにゆっくりと。
そしてその身体は、一瞬で暗い海へと飲み込まれていった。

【堂本剛 死亡  残り23人】



91 :41  ◆3RpkmWIM :02/06/28 00:05 ID:xmCFYu3E

――なぁ、光一。

「・・・え?」
フと、つよしの声がしたような気がして、光一は振り向いた。
だがもちろん、そこにつよしの姿はない。
それどころか人の気配すらない。
それは当然だった。
光一は武器として支給された簡易レーダーを使い、
周りに人がいないのを確認した上で
少しでも休息を取るために民家の中にいたからだ。
「つよし?」いないと分かってて、空(くう)に向かってそう問いかけてみる。
聞こえるのは、外で静かに吹いている風の音だけ。
もちろん問いに対する答えなど、返ってこない。
だが何となく、室内なのに自分の横を風が通りすぎた様な・・・気がした。
何となく懐かしさを感じさせるような、どこか寂しくて、でも優しい。
そんな不思議な風が。

――つよし、今頃何してんのかな・・・。
そんな幻のような風に誘発されて、つよしのことを思う。
教室で別れた時点で、もう会えないというのは分かっていた。
同時に、会う気もなかった。
それでも、この島の何処かで元気でいてくれることを願いたかった。



92 :読者書き溜め ◆3RpkmWIM :02/06/28 00:16 ID:O2Mn5tCc
代打屋さんの更新に萌えつつ、更新です。
・・・私も、ヒソーリと自分なりにがんがります。
明日は荒氏の二人と、先輩一名が登場します。

93 :>書き溜めさん乙です:02/06/28 00:44 ID:4lShzzMO

。・゚・(ノД`)・゚・。
言葉もないでつ…

94 :ななしじゃにー:02/06/28 12:13 ID:gj/XRv7f
どつよぉ〜…涙

95 :文才求む!書き溜め ◆3RpkmWIM :02/06/28 20:57 ID:xmCFYu3E
今更ですが、担の皆さんごめんなさい・・・
他の職人さん達のバトロワでのどつよとは重ならないように考えて
弱さ、強さを書き溜め風にしたらこんな結果に。
でもこれから殺すたびに謝ってたんじゃキリないですね(苦笑
一人でも多くのタレを丁寧に描けるようにがんがります。
どう死んだかよりも、どう生きたかをテーマにしたいんですが・・・
言うは易し、行なうは〜です(ニガワラ

今夜も5つ更新予定です。

96 :42  ◆3RpkmWIM :02/06/29 00:10 ID:VlCYzcyU


相葉は、物音を立てないように慎重に足の位置を移動しつつ、
大野の動きを目で追っていた。
今、相葉は、その大野が立ち寄った東屋を見張っている。
時計を見ると、3時半すぎ。まだ夜が明けるまでには時間がありそうだ。
大野はというと、荷物を降ろして椅子に静かに座っている。
まだ動く気配はない。
何故自分が、こんなスパイか何かのような行動を取っているのか、
自分でもよく分からなかった。
同じグループのメンバーじゃないか。
大野くん!って、いつものように駆け寄ればいいだけの話だよな。
自分で自分にそう突っ込みながらも、結局のところ出て行く事はできず、
こうやって離れてただ様子を伺っているだけ。何故?
――勇気がないから?大野くんを、疑ってる?
   いや、違う。そういうわけじゃない・・・。
だが、聞こえなかっただけにしろ、自分の声が大野に届かなかった時から
大野との間に壁のようなものが出来てしまった様に感じていた。


97 :43  ◆3RpkmWIM :02/06/29 00:21 ID:yGZEH/jl

その時。ガサッ、と物音がして大野が静かに立ち上がった。
相葉も、その大野の視線の先を目で追う。そこにいたのは――東山紀之。
東山は大野のいる位置から20m程先の大きな木の横に立っていた。
冷静な・・・というより、冷酷な瞳で、大野を見つめている。
「・・・・。」
無言のまま、ユラリ、と東山の身体が揺れた。
そしてその手には、ライフルが抱えられている。
それに気付いた相葉は、あぁっ!と声を上げそうになって両手で口を押さえた。
だが大野は少しも慌てるそぶりは見せず、静かに東山を見据えたまま
荷物の中から鋭く光るもの――カマを取り出した。
しばらく無言の対峙が続いた後、突然、バンッ!とライフルが火を噴いた。
その音を合図に、大野は素早く移動し木々の間をすり抜けていく。
大野の姿を見失った東山は、何発も何発も周囲にライフルを撃ちまくる。
その一瞬の隙をついた大野は、静かな動きで東山の背後に回った。
そして素早く、東山の首に腕を巻きつける。
片腕で首にぶら下がるような体勢になると、
その重みに東山の身体が傾き、ガクンと膝が地面についた。
「ん・・・ぐぁぁうぅっ!!」
その拘束から逃れようとグイグイと必死でもがく東山を
大野が悲しげな瞳で見つめ、静かに口を開いた。

「暴れないで下さい。すぐ、終わりますから・・・。」


98 :44  ◆3RpkmWIM :02/06/29 00:23 ID:yGZEH/jl

「・・・っ?!」
その声に、東山がビクンッと震えた。
大野は黙ったまま、手に握っていたカマを東山の首を流れる太い血管にそっと這わせ・・・
次の瞬間、力を入れてそれを一気に横に切り裂いた!

ザシュゥッッ

東山の首から勢い良く噴き出した鮮血。
その洗礼を浴びないように、素早く身を交わしてその身体を前方へと押す。
大野の拘束から放たれたその身体は
まるでカエルのように、
両肘を90度に曲げ、ベタン!と地べたに倒れた。

【東山紀之 死亡  残り22人】



99 :45  ◆3RpkmWIM :02/06/29 00:25 ID:yGZEH/jl

「あ、あぁぁぁぁっ!」
両手で口を押さえていたものの、相葉は今度は本当に声を上げてしまった。
だが、今度も大野にその声は届いてないようで、こちらには気がつかない。
一度腰を落とし、そしてまた立ち上がり、黙ってその死体を見下ろしている。
――大野くん?!大野くんが東山さんを?!
信じられない・・・。
でも確かに今目の前で大野は、あのカマで東山の首を切り裂いた。
――首から、あんなに血が・・・、血がいっぱい出てた。
   滝沢くんの時と同じだ・・・。
相葉は、思わず自分の首に手をやる。「うぅぅっ」
殺られたのは自分じゃないのに、凄く痛くて、痛くて、苦しくて。
違う、痛いだけじゃない。
東山さんが殺されて、ショックなだけじゃない。
だってその東山さんを殺したのは、大野くんなんだ・・・。
心臓を打ち抜かれたくらいの衝撃だった。
――酷い・・・、酷いよ大野くん!!


100 :46・今夜はここまでです ◆3RpkmWIM :02/06/29 00:27 ID:yGZEH/jl

相葉は流れる涙を手の甲でぬぐいながら、しゃくり上げる。
急いで荷物を両手で抱え込むとそこから逆の方向に走って逃げた。
いつも穏やかな人が、あんなにも淡々と人を殺した。
相葉には、もう信じられるものがなくなってしまった。
確かにスパイのように黙って後をつけていた。でも・・でも。
そう、大野についてきたのは、一緒にいたかったからだ。
ただ疑っていて、逃げたいだけなら追いかけてきたりはしなかった。
いつか、何処かではきっと声をかけて、大野くんと話して、
そして一緒に行こうって、そう言うつもりだったんだよ!
走りながらそう考えていると、また涙が溢れ出してくる。
――もう逃げたい・・・こんな所、もう嫌だ!!



101 :ななしじゃにー:02/06/29 01:04 ID:+WUTCoMi
乙彼サマー。
平安カコイイ(藁
干菓子様殺っちゃったよ…。
でもひらの気持ちを考えると切ないな。

102 :ななしじゃにー:02/06/29 02:44 ID:i+4Yo0zk
乙です。
平安がすばやく動くとか想像すると藁えました。

書き溜めさんのBR、代打屋さん並みに好きだナー

103 :なななな:02/06/29 03:38 ID:v+3uCIod
私は、聖進学院に通ってるけど、相葉は、ほんとに、
『俺は、嵐だぞ。』って感じで嫌だった。
サイン禁止だし。

104 :ななしじゃにー:02/06/29 05:05 ID:CylcyI+x
干菓子の場面すごくショック。香奈スィ。

105 :ななしじゃにー:02/06/29 09:40 ID:jKlQlwjv
一番賢いのはYa-Ya-yahの星野君。現在中3ですが。

106 :陳謝書き溜め ◆3RpkmWIM :02/06/30 00:36 ID:VkWY8zPn
今日明日で、おおまかな人物紹介的な部分が終わるので、
そこからは少しずつ物語が動き出す予定です。
来週1週間は大波乱な予感です・・・あくまでも予感ですが(w
それに先立って、先に謝らせて下さい。104さんもごめんなさい。
102さん、ありがとうございます(涙
では、今夜の分をこれから更新します。

107 :47  ◆3RpkmWIM :02/06/30 00:47 ID:54ncd0+G

大野は、今しがた自分が殺めたその人の身体を、黙って見つめていた。
地面にひざまずき、カッと見開いたままの東山の目にそっと手を置くと、
まぶたを下ろしてやる。
命を失った東山はとても、とてもキレイな顔をしていた。
そしてまた立ち上がった大野は、泣き出しそうな表情でそれを見つめる。
同時に、血で汚れた自分の手を。
少し離れた所から、あぁぁっ!という声が聞こえた。
「相葉ちゃん・・・。」
大野には、それが相葉の声だという事はすぐに分かった。
走り去る音も聞こえた。校舎を出た時に自分を呼んだのも、
そして後をつけられているのも全て気付いていた。

小さく息を吐くと、もう一度東山の死体に目をやる。
「・・・ごめんなさい。」
人を殺すのなんて、楽しい訳がない。そうそう楽な行為じゃない。
殺人事件なんてものは、日常でも頻繁にニュースで耳にするし、
そんなに遠い世界の話ではなかった。
もちろん、そんな行為をする人間の気持ちは分かるはずもなかったが、
必要に迫られれば、誰にでも有り得る事なのかもしれないと、そう思った。
――だけど、自分から好き好んで殺人する人って・・・趣味悪いよ。
目の前で死んだ(自分が殺した)東山を見て、つくづくそう思った。
哀しかった、申し訳なかった。
でも、そんな風に思う自分とは裏腹に、
非情なまでの冷静さで、この状況を見ている自分もいる。
二つの心の狭間で、揺れていた。


108 :48  ◆3RpkmWIM :02/06/30 00:51 ID:54ncd0+G

だが、東山がライフルを自分に向けて撃った瞬間、世界が傾いた。
それまで均等に保っていた天秤は、確実に比重の重い方へと下がった。
気付くと自分はカマを手に、東山の背後に回っていたのだ。
教室で滝沢が死んだのを見た時から何となくこうなる事は分かっていた。
――だから、相葉ちゃんの気持ちには応えられなかったんだよ・・・。
生き残れるのは、たった一人。
それが冗談でも何でもない以上、
誰かと行動するという事は、全く意味のない行為だ。
“心中する”という目的でない限り。
生き残れる自信があったわけではないが“闘おう”と決めたのだ。
だから一人で行動する事を選んだのに、相葉はそんな自分に着いて来た。
個人の意思だからそれを拒む事もしなかったが、
そのせいでこんな自分を見られてしまった。
重い気持ちだが、それも仕方のない事だと割り切って進むしかない。
後戻りは、もう出来ないのだから・・・。

ライフルを拾い上げて土を払い、肩にかけると、
東山に向かってペコリと頭を下げ、静かにその場を離れた。




109 :49  ◆3RpkmWIM :02/06/30 01:00 ID:VkWY8zPn


島の東側に位置する灯台には、
坂本昌行、中居正広、草薙剛、そして国分太一の4人が集まっていた。
4人は、それぞれ無事に灯台までたどり着いた。
殺し合う意思がないということを相互確認し、
その証拠にと支給された武器を手放し、一箇所に集めた。
とりあえず交替で少しでも睡眠を取ろうという事になり、
先に中居と草薙を休ませ、坂本と太一が室内から外の様子を伺いつつ
小声で会話をしていた。
その傍らには、先ほど集めた武器がある。
坂本の手榴弾二個、太一の拳銃――ベレッタM92F、
中居の催涙スプレー、草薙の果物ナイフ。


110 :50・中途半端ですみません。続きは明日 ◆3RpkmWIM :02/06/30 01:06 ID:h3J/OuSO
「あの手紙、何処まで回ったんだろうねー。」太一がそう呟く。
太一はあの手紙をとりあえず松岡に渡した、そして松岡が桜井に。
そして、中居から坂本に。
中居は来る途中に会った草薙を連れて、二人一緒にこの灯台にやってきた。
教室内では堂々と手紙を回せる雰囲気ではなかったため、とりあえず
座ったままでも手の届く範囲内にいた数名に渡すのが精一杯だったのだ。
「さぁ、な。とりあえず俺は健に渡したけど・・・
間違いだったかな〜あいつあれどうしたんだろ。」
坂本はそう言って片手で髪をかき上げながら苦笑する。
太一もつられて笑った。
「もう井ノ原は部屋出た後だったんだもんね。
それが痛かったな〜、あいつがいれば少しは頼りになったのにね。」
「なんだよ!俺じゃ頼りにならないのかよ!」
リーダーは俺だぞ!と言わんばかりに、
坂本がわざとらしくムキになって太一を小突く。
太一は影のない笑顔でまた、あははと笑った。


111 :ななしじゃにー:02/06/30 02:56 ID:IvBd59oQ
亀ですが日記と錦(鯉)の刺青現在背負ってるペアトテーモイイっす。
鯉背負ってるほうは各バトロワでイテマエキャラづいてるので(w(それも楽しいですが)
これからもがんがってください。

112 :ななしじゃにー:02/06/30 03:57 ID:TpZjHGKf
スマ含めた年長組って今までにあんまりなかった組み合わせっすね。
続きが楽しみです!


113 :ななしじゃにー:02/06/30 10:08 ID:SmwdZ8RT
灯台に集まったメンバー内だったら、
絶対須磨リーダーがしゃしゃるような気が…。
でも(・∀・)イイ!!楽しみにしてるです。

114 :焦り始めた書き溜め ◆3RpkmWIM :02/06/30 17:53 ID:VkWY8zPn
休日なんで一生懸命書き書きしてたんですが
思ってたよりもカナーリ長編になる事が判明しました。
予定だと、200〜230程で完結するんですが
今の毎日更新ペースでいくとあと約1ヶ月はかかります。
学生の夏休みにかぶっちゃうのが悩みの種なんですが(ニガワラ
サクサク行くように努めますので、あと少しお付き合い下さい。
今日はこれから家を空けるため今更新しちゃいます。

115 :51  ◆3RpkmWIM :02/06/30 18:02 ID:wnkthk/K

健に渡したということは、とりあえずゴウは分かってるだろう。
あとは、桜井もあの手紙を読んだハズだった。
そこまで考えて坂本は不安に襲われた。
「健、おせぇなぁ・・・。」
時計を見ると、もうすぐで4時を回るところだった。
そろそろ中居たちが起きてくる頃だ。
「大丈夫だって!今ここで心配しても仕方ないよ、信じよう。」
太一はそう言って、隣に座る坂本の太ももをパンパンと叩く。
これじゃどっちが年上だか分からない。
「健とゴウが出た後に山口くんでしょ?
・・・山口くんにも手紙、見せてるといいんだけど。」
森田と三宅は別として(それも失礼な話だが)、
あの手紙を見た松岡と桜井が未だにこの場にたどり着かないのはおかしい。
様々な不安が、太一の頭の中を駆け巡った。
次々に浮かんでくるあらゆる疑念を振り払おうと、頭を左右に振る。
その時、中居と草薙の2人が二階から降りてきた。
「悪いな、先に寝かせてもらって。」
そう言って部屋に入ってきた中居の顔は、まだかなり眠そうだ。
草薙は、それよりはいささかスッキリした顔はしてるものの、
それでも疲労が回復していないのは分かる。
「中居くんボロボロじゃないっすか〜。」陽気な声で太一がそう言うと、
「もう年なんだから仕方ねーべ。」、と中居が小さく笑った。
簡単に状況を説明すると、
今度は坂本と太一が仮眠を取るために階段を上がっていった。


116 :52・今日は全部短いシーンです ◆3RpkmWIM :02/06/30 18:05 ID:wnkthk/K


その灯台を、少し離れた場所から見つめる人影があった。

ザザーッと波の音がする。
月明かりに浮かび上がる白い建物を前に松岡は立ち尽くしていた。
“灯台で”、そう書かれた手紙を太一から受け取った。
とりあえず、その灯台の前までたどり着いた。
でも、なかなかそこから足が動かなかった。
「太一くん、どうするつもりなんだよ・・・。」
一体、どんな考えがあって皆を集めようとしたんだろうか。
このゲームに対して何か勝算があるとはとてもじゃないが思えなかった。
迷っていた。もちろん自分だって皆に会いたい。
そうすれば少しでも不安や恐怖から逃れることが出来るかもしれない。
でも、太一の笑顔に、いつもと同じような笑顔を返す自信がなかった。
それに灯台にいるのは太一だけじゃないはずだ。
波の音を聞きながら、少し離れた所からしばらくの間灯台を見上げていたが
松岡は唇をキツく噛み締め、やがて、諦めたようにそこから歩き出す。
その影が、少しずつ灯台から離れていった。



117 :53  ◆3RpkmWIM :02/06/30 18:07 ID:h3J/OuSO


海から遠ざかったと言うのに、まだ波の音が耳から離れない。
岩を叩きつける波の音と一緒に、
つよしの身体が海面に叩きつけられた音まで生々しく蘇るようだ。
山口は、北の山の山頂にある展望台にたどり着き、力を失って倒れこむ。
自分の目の前で、つよしが飛び降りた。
――なんだったんだ、あれは。
今日、一緒に走ったりしていた奴が、何であんなことしてんだ?
そしてこの自分の気持ちは何だろう。悲しみなのか。それとも、怒りなのか。
頭の中に様々な情景が浮かんでグルグルと回る。
心がモヤモヤしたまま晴れない、気持ち悪い。
空しさはなくならない。
あっけなくつよしが目の前から消えたこと、そしてそれを見てしまったことで
より一層カラッポになった自分に気付く。
つよしの身体は、命は、今更もう何をしたって取り戻せない。
同じく自分も、もう二度と元の世界に帰ることは出来ない。
皆を殺して、最後の一人にならない限りは・・・。
そんな絶望感に満たされた山口に、歩く気力はどこからも生まれてこなかった。



118 :54  ◆3RpkmWIM :02/06/30 18:09 ID:h3J/OuSO

岡田准一は、森を抜けたところにある見晴らしのいい丘の上に立っていた。

何も考えずに、漆黒の闇の中に浮かび上がる星空をただボーッと眺めていたら、
いつの間にか時間が経っていたというのが本当だった。
「綺麗やなぁ・・・。」
この場所にたどり着いてからしばらくの間は仰向けに寝そべって空を見ていたが、
やがて空が少しずつ白み始めたので、服についた草や土を払って立ち上がった。
――写真、撮りたいなあ。
そのぐらい、綺麗な星空だった。
そして、少しずつ明るくなっていく空も美しかった。
東京にいると、季節の移り変わりどころか朝と夜の明確な違いさえも、
ちょっと油断していると見失ってしまう様な気がする。
四六時中街に渦巻く騒音も、ネオンの光も全くないこの無人島では
夜は、本当に“夜”だった。


119 :55  ◆3RpkmWIM :02/06/30 18:11 ID:h3J/OuSO

殺し合いをしてもらいます、と言われた。
目の前で滝沢が殺された。そして、武器を渡された。
だが岡田はどうしても、リアリティのある感覚で受け取る事が出来なかった。
なんか、こんな話何かで読んだか見たか、したことあるなぁと思った。
本や映画、そんな数ある物語の中の一つに、
その中にいるような錯覚を起こしていたのかもしれない。
そんな非常識で、不条理な状況下に置かれているというのに、
遠くで銃声が聞こえたりもしたのに、
それらをどこか第三者的な感覚で受け止めていた。それどころか、
夜の空気ってこんなに冷たくて、こんなにも澄んでいて気持ちのいいものなんだ、
と素直に感動してみたりなんかして。
息を吸い込むと、身体の中を冷たい空気が通り抜けていくのを感じる。
第一、殺しあえと言われても実感が湧かないのは
自分に支給された武器のせいもあった。
ナップザックから出てきた岡田の“武器”は――ハリセン。
――なんだこれ。これで誰に突っ込めってんだよ・・・。
口の端を上げて小さく笑うと、ウ〜ン、と伸びをする。
まだ動く気はなかった。
もう少し、ここから見える景色を眺めていようと思った。

もうすぐ、夜明けだ。



120 :ななしじゃにー:02/06/30 18:35 ID:th81QvL/
ヤバい・・・これから鉄骨だというに、
なにみてもこの副将を思い出しそうだ(ニガワラ
それはさておき、どんどん壊れモードの彼ですがいったいどうなってしまうんでしょうか。
中堅の方はいい空気なのにナ・・・。対比がとても悲すぃ・・・

121 :56・ズンズン行けそうな時は ◆3RpkmWIM :02/07/01 23:21 ID:PXMtEr9o


時計の針が、朝の7時をさした。
島中に等間隔で立てられているスピーカーから
けたたましいファンファーレが鳴り響く。
やがてそれは、この島には似つかわしくない
大袈裟で荘厳なオーケストラ演奏へと変わった。
まるでこのゲームへの参加者達を茶化すかのような軽快な音楽に乗せて、
キーンというハウリングを起こしつつ、スピーカーから今井の声が流れ出した。

『おはようございます。
さすがに夜明けまでは、皆さん静かに休まれてたようですね。
それまでは、ゲーム序盤にしては頑張ってくれた方がいました。』
口調は穏やかだったが、相変わらずの淡々とした声色だった。
『では、これまでの死亡者を、亡くなった順番に発表します。
滝沢秀明、稲垣吾郎、城島茂、堂本剛、東山紀之。
ゲーム開始から7時間で以上の5名が死亡。
残り時間は17時間、残りは22名。
では、次に禁止区域をお伝えします。・・・・』



122 :57・逝ってしまへ書き溜め職人 ◆3RpkmWIM :02/07/01 23:24 ID:jYqr+THT

結局、木に寄りかかって座り込んだまま夜を明かした二宮は、
突如として流れ出した音楽にビクッと身体を震わせ飛び起きた。
慌ててペンと地図を取り出し、禁止区域と、その時刻をメモする。
亡くなった者の名前の中に嵐のメンバーがいなかったことに安堵すると共に、
そんな自分をあさましくも思った。
別に、自分やグループに関係なければどうでもいい、という訳じゃない。
それに、死んだと言われても実際自分の目で見たわけでもないのに、
とてもじゃないけど信じられない。
ただこんな状況だからこそ、誰かが死んだということよりも、
身近な人間がまだ生きているということを知って、素直に嬉しかった。
きっと、誰かには会えるだろう。
はぁと一つ大きく息をすると、肩の傷に目をやる。
ものすごい痛みだったが、どうやらかすっただけで貫通はしていないようだった。
あれからすぐに支給された水で傷を洗い、
上に着ていたシャツを無理やり破いて肩にグルグルと巻いた。
こんなにもサバイバルめいた事が出来るとは思っていなかった二宮は、
そんな自分にちょっと感心した。
その時だった。
――誰かが近づいてくる!
そんな気配に気付き、二宮は息を殺して周囲の物音に集中する。
木の幹に身体を隠しつつ、顔だけチラリと後ろをのぞき見た。


123 :57  ◆3RpkmWIM :02/07/01 23:26 ID:jYqr+THT

草を分けて近づいてきたのは、木村拓哉。
さてどうしよう、と二宮が頭を働かせる前に木村と目が合ってしまった。
木村は少し驚いたような顔をしたが、
木の幹からチョコンと顔だけを覗かせている二宮を見て笑みをこぼす。
「何してんだよ。」
「あ、はは。いや、ここで寝てたんです。人が来たから、様子伺ってたら
どうしようかな、って考える前に・・・目が合っちゃいました。」
「間抜けだな。」笑顔でそう言うと、
木村は少し間を置いて「そっち行ってもいいか?」と尋ねた。
断る理由は二宮にはない。
頷いて、木村に向かって軽く会釈をする。
目の前までやって来た木村の目に留まったのは、
シャツでグルグル巻きにされた二宮の肩。
「お前、それどうしたの?」あくまでも静かな口調で、そう尋ねる。
そのシャツには、赤い血が染みていた。
「あぁ、あの・・・・。」
バツが悪そうに口ごもる二宮を見て、木村は眉をひそめる。
「何だよ、いいから言えよ。誰にやられた?」
木村は目の前にしゃがみこむと、真正面から二宮の目をジッと見つめた。
その真っ直ぐな瞳の力に圧倒され、仕方なく口を開く。
「校舎を出てすぐ、撃たれました。・・・たぶん、慎吾くんに。」
その名を聞いた木村は、眉をひそめたまま唇を噛んで二宮から視線を外した。
悔しそうな瞳で右下の地面を見据え、ため息を一つつく。


124 :59・↑すみません!上のは58です(鬱  ◆3RpkmWIM :02/07/01 23:29 ID:jYqr+THT

「悪かったな・・・。」
木村にそう謝られて二宮は慌てて弁解する。
何も違わないのに、ちっ、違うんですよ!なんて、
自分でもおかしな事を言ってると思った。
木村はそんな二宮を見て、少し表情を和らげる。
「優しいんだな。悔しくねーの?慎吾にムカつかない?」

――優しい・・・。
そう言われてみて、少し考える。
でも、ちょっと違うような気がした。
「優しいとか、そういうんじゃないんです、たぶん。
自分でもよく分からないっすけど。痛かったし、すげービックリしたし。
何だよ!って思ったけど・・・・。」
そこまで言うと、何故だかヘヘッ、と自然に笑みがこぼれた。
「信じたい、のかな・・・。慎吾くんをっていうか、皆を。
嵐の他の奴らにも会いたかったし。あそこで慎吾くんにムカついちゃってたら、
きっと誰の事も信じられなくなってた気がする。
自分の手でゲームの幕を開けちゃう気がして。だから、なんてゆーか・・・」
自分の言ってることがメチャクチャなのは、言ってる本人がよく分かっていた。
支離滅裂で、何にも筋が通ってない。
それもまた可笑しくて、笑ってしまう。


125 :60  ◆3RpkmWIM :02/07/01 23:30 ID:jYqr+THT

「笑うなよ。」何故だか厳しい口調で木村がそう言った。
その言葉に、二宮の瞳が笑うのを辞める。
「甘いんだと思います。僕は。だけど、とにかく誰かに会いたくて。
結局のところゲームに参加しちゃうかもしれない。
でも、幕を開ける前に会いたいんです。それまでは、信じてたい。」
自分に言い聞かせるように二宮が語った。
木村はそこまで聞いて、なおも厳しい表情で二宮を見つめる。
「ハッキリ言うけど、お前が思ってるほど現実は甘くねぇよ。
お前が会いたいと思ってても、あっちが同じように考えてるとは限らない。
それでもいいんだな?傷つくかもしれないんだぞ?
信じる、ってのは考えてるよりずっとシンドイことだ。」
何度も何度も念を押すように問う木村に、二宮は少し考えてから黙って頷いた。
「そしたら・・・そん時に考えますから。」そう言って、ニッコリと笑う。
そんな二宮の笑顔に、木村は少し呆れたように、でも柔らかく微笑んだ。
「信じると決めたんなら最後まで信じろ。
何があっても、何を見ても信じてやれ。いいな?」
木村は、短く「じゃあな。」と言い残すと、また違う方向へと消えていった。

――俺は何を信じたいんだろう。自分を?それとも、嵐の4人を?
それすらもよく分からなかったが、二宮の意思は固かった。



126 :61  ◆3RpkmWIM :02/07/01 23:33 ID:olky1lQu

けたたましく鳴り響く音楽に、三宅は目を覚ました。
死亡者の名前が淡々と読み上げられるのを聞いて一応メモをする。
――何で俺こんなことしてんだろ。
死亡者と言われても、禁止区域だなんて言われても、よく分からない。
山口がボウガンで撃ってきたのにも驚いたし、腹は立ったが
何冗談言ってんの?何やってんの?と、そんな風にしか思えない。

昨日、灯台へ行くなんて意気込んだはいいが暗くて方向が分からなくなり、
いつまでも同じところをグルグルと回っていた。
それで暗いうちは無理だと諦めて、ミカン畑にあるトラクターの中で夜を明かしたのだ。
トラクターの中は狭くて椅子も硬く、お世辞にも寝心地がいいとは言えなかったが
外で寝るよりは遥かにマシだった。
だが、とにかく身体も髪も汗でベトベトしている。
とりあえずトラクターを降りてグルリと見渡すと、畑の先にある井戸が目に止まった。
慣れない手つきで井戸から水を汲むと、バシャバシャと顔を洗い、ウガイをする。
それでやっと、少しスッキリした。
朝の空気も、井戸の水も冷たくてとても心地良い。
トラクターに戻ると、荷物から水とパンを取り出し、それらを半分くらい口にした。


127 :62  ◆3RpkmWIM :02/07/01 23:35 ID:olky1lQu
――さて、そろそろ行かないと。
そう思って荷物を手に取る。
と、振り返ったその少し先に、見慣れた人影が歩いていた。
「井ノ原くん!!」三宅は嬉しそうに大きな声を上げる。
いつもと変わらない様子で駆け寄ってきて、いつもと同じようにくっついてくる三宅を
井ノ原は半ば驚いた様子で見つめた。
「良かったぁ、灯台に行こうと思っても一人じゃ自信なくてさ。良かった〜!」
来てくれてよかった、会えて良かった、という風に笑顔でそう言う三宅を見て、
井ノ原は首を傾げた。「灯・・・台?」
「え?」
そうだよ、何言ってんの。行くんでしょ?と当然のように言う三宅。
それでもただ呆然とし続ける井ノ原に痺れをきらしたのか、
「だ〜か〜ら!太一くんの手紙、俺は坂本くんから渡されたの。読んだでしょ?」
と、半分逆ギレのような勢いでそう叫んだ。
井ノ原は、その問いにはYESともNOとも答えなかった。
だが三宅はその沈黙を、YESの意と受け取った。
当然井ノ原はその手紙を読んだと、そう確信しているからだった。
腕を放すと荷物を持ち直した三宅は、さぁ行こうと井ノ原を促す。
ただその一瞬、井ノ原の表情が変わったことに、三宅は全く気付いていなかった。



128 :63  ◆3RpkmWIM :02/07/01 23:39 ID:PXMtEr9o

朝の光が海に反射してキラキラと輝いている。
眩しそうに目を細めながら、森田剛は一人で海岸沿いを歩いていた。
地図を見て歩こうかとも思ったが、その通りに自分が歩けるとも思えない上、
いちいち確認しながら慎重に進むのも面倒くさいので、適当に、
もう本当に適当に歩いていた。
禁止エリアを几帳面にメモするのなんてもってのほかだ。
今ここにいるのだって、何となく波の音に誘われて、
それが聴こえてくる方向に歩いてきただけだった。

――めんどくせぇ・・・。
とにかく、あの教室にいる時から森田の心を占めていたのは、その気持ちだった。
まず一番最初に、健の視線から、
そして一緒に行動しようと提案した太一や坂本の思いから、
それを自分に伝えようとした健からも逃げてきた。
誰かを信じるとか、疑うとか、森田にとってはもはやそれ以前の問題だった。
山口がボウガンを撃ってきたのだって、驚きはしたがショックではなかった。
でも、自分に危害を加えようとしている者からは
怖いからとりあえず逃げようと思うし、出来るものなら応戦する。
そういう意思はあった。
ここでの場合、応戦するということがイコール、殺す、に繋がるのだろう。
そして、殺さなければ、自分が殺される。
――何でこんなことになってんだよ・・・。
イライラして地面を蹴った。


129 :64  ◆3RpkmWIM :02/07/01 23:41 ID:PXMtEr9o

『待ってるからな!』 そう叫んだ健の声が蘇る。
あいつ、何処で待ってんだろ。
大体にして、本当に待ってるかどうかも怪しいけど・・・。

もう歩くのすら面倒になってきて、その場にしゃがみこもうとしたその時。
森田は何かイヤな気配を感じて、周囲を見渡した。
――誰も・・・いない?
自分の勘違いか、と思い森田は少し気を緩めた。
だが、その油断が間違いだった。危険は、確実に森田の身に迫っていた。
森田が肩にかけていたナップザックを下ろし、
身体をほぐそうと上半身に反動をつけてねじり、顔を後ろに向けたその直後!
ガツンッ
「・・・・っ?!」
気付いた時にはもう遅かった。
相手の顔を見る暇もなく、その何者かに森田は固い石で頭を思い切り殴られ、
砂の上に勢いよくズザザザッと倒れ込んだ。
「っっ・・・・痛ぇ〜〜〜!!」
森田は頭を両手で抱えて砂の上をゴロゴロと転がる。
鈍い痛みと共に、ふつふつと怒りがこみ上げた。「ん・・・の野郎〜〜〜!!!」
森田は鋭い眼光で相手を睨みつけると、自分を殴ったそいつに何も考えずに突進した。
不意をつかれたのか、森田に飛び掛られたその相手も砂の上に転がる。


130 :65・今日はここまでです。 ◆3RpkmWIM :02/07/01 23:43 ID:MPeBRDU0

「・・・・植草くん?」
その時初めて、自分が押さえつけている相手を確認した森田は、
しばし唖然としてその顔を見つめた。
動かなくなった植草を見て森田は少し焦る。「あ、あの。」
すると、カッと目を見開いた植草が森田の細い腕をつかんで横に投げ飛ばした。
驚いた森田が腕を押さえて立ち上がろうとしながら、植草を見上げる。
「うへへぇ・・・はははぁ〜〜〜」
狂ったように笑う植草に、森田は全身の毛がよだつのを感じた。
その服にも手にも血がついている。笑い続ける植草には、もはや以前の面影などない。
――こいつ・・・狂ってやがる・・・
恐ろしかった、その場からまた逃げようかと思ったがその隙を植草は与えてはくれない。
またしても、手にした石で殴ろうとこちらへ向かってくる。
「ぉぉぉりゃあ〜〜〜!!!」
「やめろよっ!!くんな!!」
怒号を浴びせて逃げようとする森田に構うことなく、
植草は石を持つ手をブンブンと何度も振り回して詰め寄った。
その一打が、狙いを外れて今度は森田の胸の辺りに直撃する。
「ぐ、はぁっ。」
森田は思い切り殴り飛ばされ、すごい勢いで倒れこんだ。
「い・・・ってぇ・・・。」
骨が砕けたんじゃないか?!と思う程の鋭い痛み・・・。
力を込めようとしても足はふらつき、目がチカチカした。


131 :ななしじゃにー:02/07/02 00:06 ID:vcH2Q6f+
いつも大量更新乙彼サマーず。
克ちゃんと番長という以外な組み合わせが新鮮。
番長キレろ!キレてしまえ(藁

132 :ななしじゃにー:02/07/02 00:32 ID:6pJJcgjp
現実では☆の誕生日ですが
こちらの世界では俺様に殺されてしまうのでしょうか?
平安とひらにしても仲良しさんがせつないですね〜。


133 :ななしじゃにー:02/07/02 02:22 ID:E8K+jiWd
乙でっす!
俺様、何考えているのか分からなくて不気味だがイイ!
番長・☆は同時にピンチ!?二人ともガンガレー!

134 :ななしじゃにー:02/07/02 04:15 ID:DVI1dTA1
あげ

135 :ななしじゃにー:02/07/02 06:13 ID:Y06/7TXi
アブネー俺様ってのがいいですな。
番長も一大事だ!


136 :ななしじゃにー:02/07/02 23:30 ID:/13InAC3
テンポがいいですね。すばらしい。
見習わねば…と思うことしきり。
毎日楽しみにしてます。

137 :午前様書き溜め ◆3RpkmWIM :02/07/03 05:43 ID:OFCdHjgb
ダイヤが乱れますた。変な時間に更新ですみません。

>136
と、とんでもないです!単に書き溜めてた分があるだけで・・・
ありがとうございます、勢いだけがとりえです(ニガワラ

138 :66  ◆3RpkmWIM :02/07/03 05:45 ID:OFCdHjgb

その時、胸を押さえてフラフラと立ち上がろうとした森田の目に映ったのは、
植草の背負うナップザックから落ちたらしい彫刻刀だった。
考えている暇などない!
森田は必死でその彫刻刀に飛びついた。
彫刻刀が森田の手に収まると同時に、上から植草が覆いかぶさるように殴りかかる。
森田は素早くそのまま横にゴロゴロと転がる。
植草は何もない砂の上に石を振り下ろし、悔しそうに顔を歪めて森田を睨んだ。
「うぅうぅう・・・」
その次の瞬間、考えるより先に森田の身体が動いていた。
「ぐ・・・・あぁぁあーーーーっ!!」
森田はやぶれかぶれで植草の上に馬乗りになる。
その植草の身体が森田に向かって仰向けになったその一瞬を、見逃さなかった。
森田は、手にした彫刻刀を思い切り植草の喉元に突きつけた。



139 :67  ◆3RpkmWIM :02/07/03 05:48 ID:s21sEXQn

・・・その後のことは、自分でもよく分からなかった。

気付くと、自分は少し離れたところにいて、ボーッと立ちすくんでいた。
手にはたくさんの血がついていた。
頭を殴られて、まだ意識が朦朧としていたせいもあるのかもしれない。
固い石で殴られた胸にも、息をするたびに骨が軋むような痛みが走った。
フラフラとそこに倒れている植草に近づく。
それは、おびただしい血を喉から流しながら息絶えていた。
――俺が、殺したんだ、よな?
側にはもちろん誰もいない、答えてくれるものはなかった。
(ちくしょう・・・ちくしょう!!)
何故か腹が立って仕方がなかった。
「何で俺がこんなことしなきゃなんねぇんだよ!フザけんなよ!ムカつくんだよ!!」
朝の海岸に、森田の叫びがこだまする。
殺し合いということが、どういう事なのか。
そして、自分が放り込まれたこの場所の意味を、今ようやく実感した気がしていた。

【植草克秀 死亡  残り21人】



140 :68  ◆3RpkmWIM :02/07/03 05:52 ID:4rejFNiV

錦織と長野は、城島が息絶えたその崖からはだいぶ離れたところにある
神社の境内に座り込んでいた。
長瀬が走り去った後、二人で移動して結局ここに落ち着いたのだ。
落ち着いたはいいが、さて眠ろうと思っても錦織がしゃべりっぱなしで、
なかなか寝かせてくれなかった。
静かになり、そろそろ寝ようかなと思った頃にまた思い出したように話し始める。
長野は苦笑しつつも、自分を元気付けようとしての行為だという事も分かっていた。
錦織がいなかったら、事故とは言え城島を助けられなかったことの重責と
たった一人で闘わなければならなかった。
だから文句を言うこともなかった。(最も、言いたくても言えないわけだが。)

――これじゃオールナイトニッキだよ・・・。
笑顔を浮かべつつ、ため息をつく。
――しゃべり続けるのも凄いけど、それを聞き続けた僕もすごいよね・・・。
そんなことで自分を褒めても何だか空しいだけだったが、
この事を坂本と井ノ原に話したら、きっと同情しつつも大爆笑するだろうなぁと、
そう思えば、オールナイトニッキを体験したことも無駄じゃなかった気もしてきた。


141 :69  ◆3RpkmWIM :02/07/03 05:55 ID:OFCdHjgb

「ところでさ、お前の持ってる武器何なの?」錦織が突然そう尋ねた。
「え?あ、あぁ。これですよ、フォーク。」
笑いながら、ナップザックから銀製のフォークを取り出す。
しかも、可愛いプーさんの人形の付いたフォーク。
それをポーッと見つめた錦織は、少し考えてポン!と手を叩く。
「それは、あれだな。坂本の鼻の穴に突っ込むぐらいしか能がないな、うん。」
それを聞いた長野は、うかつにも
坂本の鼻にプーさんのフォークが刺さっているのを想像してしまう。
もちろん、見事に長野のツボにヒットした。
「二度と使いたくないけどな、坂本に使用後のそのフォーク・・・。」
ゲンナリした口調の錦織の言葉が、更に追い討ちをかけ、
長野は腹を押さえてヒーヒーいっている。
「・・・・ま、それは冗談として。」
錦織は、横に置いていた拳銃――ワルサーPPK9ミリ、を手にとって
それを空にかざした。
「俺には、これなんだよなぁ。」


142 :70  ◆3RpkmWIM :02/07/03 05:59 ID:s21sEXQn

静かなその口調に、長野は笑うのをやめ、ゴクンと唾を飲んだ。
フォークと拳銃・・・。戦った場合どちらが勝つかなんて、考えるまでもない。
「たださ、俺は生き残るつもりはないんだ。」
錦織はその手を下ろし、拳銃から目を離す。
「俺が生き残っちゃいけないだろー?俺より若い奴がいっぱいいるのに。
嵐なんてまだ10代いるだろ?それなのに俺が生き残ったらさ、
・・・また社長に怒られるだろ?実はそれが一番の理由なんだけど。」
錦織は心底嫌そうな顔をしてブルッと身体を震わせた。
「たぶんな、必死になって後輩なぎ倒して生き残っても、
すんげぇ格好悪いって後ろ指さされるんだよ。きっと。
少年隊改め、うしろ指さされ隊、なんて言われたくないんだよね。やっぱり。」
長野は、何て応えたらいいか分からず、曖昧な笑みをこぼす。
「だからな、出来るだけカッコ良く死んでやろうと思う。」
そう強く言い放った錦織の横顔は、さっきまでとは別人の様だった。
「イヤだね〜最後の最後までカッコつけたいなんて。でも、きっとヒガシだってそうだね。
けどあいつはたぶん戦ったんだろうな・・・、生きるために。植草は危ないね〜、
・・・普段から危ないし。はは。でも、それもアイツららしいと思って、許してやってくれな。」
楽しそうに言うような事でもないのに、錦織の口調は明るかった。
「自分で転んじゃった城島もアイツらしいだろ?そんで、勝手に早とちりして、
しかも城島のためにお前に襲い掛かった長瀬も。
ほんとに馬鹿みたいで、でもアイツらしかった。」


143 :ななしじゃにー:02/07/03 05:59 ID:Pphdy2l4
はっ!ちょっと目を離した隙に更新されてる!
こんな時間にご苦労様です。
いつも楽しみにしてますよ〜


144 :ななしじゃにー:02/07/03 06:01 ID:Pphdy2l4
…もしかしなくても更新途中でしたか…?
立ち会っちゃった?
お話ぶった切る感じですみませんでした。

145 :71  ◆3RpkmWIM :02/07/03 06:03 ID:s21sEXQn

――だからお前も、自分らしくな。
急に声のトーンを変えてそう言うと、錦織は長野の肩にポンと手を置く。
長野は、真っ直ぐに錦織の視線を受け止めた。
その応えも聞かぬまま、うんうん、と頷いた錦織はゆっくりと立ち上がった。
「でも、あれだよな。このゲームも異常だけど、考えてみたらジャニーズも同じだよなぁ。」
つぶやくように言う錦織に、「どういう意味ですか?」と長野が尋ねる。
「生き残る奴もいれば、自分から去る奴もいて、それから・・・。」
そこまで言うと、はぁと深くため息をついた。
「別に誰かを蹴落とそうってつもりはなくても、誰かが上がれば、誰かが脱落していく。
これこそまさにバトルロワイアルだな。そんでもって俺らは皆、勝者だ。一応はな。」
「そう、ですね・・・。」
長野もゆっくりと立ち上がって錦織に向き直る。
「僕らトニセンなんて、カナリしぶとくしぶとく生き残りましたからね。」そう言って長野は笑う。
「だな、お前らは相当なツワモノだ。」
錦織は妙に嬉しそうに大きな声で、ハハハと笑った。
そして大きなあくびを一つすると、じゃあ行くか〜と声を上げる。
「お前、年下の奴に襲われても仕返ししないで、なるべくなら命譲ってやれよ〜。」
振り返らずにそう言うと、気持ちいいくらいアッサリと、
陽気な足取りで森の中に消えていった。

「ちなみに植草なら構わないぞ〜。」
既に姿は見えないのに、錦織の間の抜けた声だけが境内に響き、
長野は思わず微笑んだ。


146 :72  ◆3RpkmWIM :02/07/03 06:06 ID:17gV3J6R

『自分らしくな。』
僕らしい、って何だろうな。考えてみたがすぐには思いつかなかった。
少なくとも、最初は戦う意思があったように思う。
黙って殺されてやるほど優しくもなければ(そういうのを優しさと呼ぶのかは疑問だが)
抵抗もしないような、お人よしでもない。
あの時錦織が拳銃で威嚇してくれなかったら、自分はどうにかして長瀬を殺そうとしていた。
だが、一晩中錦織といて耐えず笑うか何かしていたせいで、
すっかり戦おうという意思がしぼんでしまった。してやられた、という感じだった。
だが、そのおかげで怒りも恐怖も、既に自分の中にはなかった。
じゃあ・・・やり残したことは何だ?

『信じてたのに・・・皆のこと、信じてたんだよ!!』
不意に、あの時の長瀬の声と、悔しそうな泣き顔が脳裏をよぎる。
たとえ一方的な勘違いだとしても、あいつをあんな風に泣かせたのは自分だ。

長野は意を決して、歩き出した。



147 :オールナイトニッキ体験希望書き溜め ◆3RpkmWIM :02/07/03 06:17 ID:OFCdHjgb
143さん、全然大丈夫ですよ。ありがとうございます!

日記が長老のこと何て呼んでたか、今頃になって不安に・・・
そういう所ツメが甘くて本当にすみません。
それはそうと、うしろ指さされ隊の元ネタお解りになりますか?
使ってしまった自分がすごく恥ずかしい(w

148 :ななしじゃにー:02/07/03 06:24 ID:Pphdy2l4
143でつ…   λ......
遭遇するなんて初めてだったので思わず…・゚・(ノД`)・゚・
やさしいお言葉ありがとうございます。
読者の皆さんもすみません。

ちなみに私は戸に世代なので後ろ指解ります(w

時でも鯛でもないので確かではありませんが、
日記>長老は、名字だった気がしますけど…


149 :ななしじゃにー:02/07/03 06:53 ID:Pphdy2l4
しかしオール内と日記(禿w
今回はほのぼのとしてて(・∀・)イイ!!
博様やられちゃうんじゃないかとドキッとしました。
何様の(●●)に入れたぷーさんにも、
博様と一緒に笑わせていただきました!

150 :ななしじゃにー:02/07/03 10:25 ID:sHv8Gtc8
前スレ教えて欲スイ・・・
始めの部分がわからないよぉ(泣

151 :ななしじゃにー:02/07/03 12:24 ID:JWYYE7Up
書き溜めさん乙でーす。
オールナイトニッキ、笑わせていただきました。
何様の鼻にプーさん、を想像して笑ってしまった博様がツボです(藁
って優香、番長殺してしまいましたね。
番長の今後が激しく気になります。
書き溜めさんがんがってくだちゃい!

152 :ななしじゃにー:02/07/03 20:55 ID:KgsdLCug
書き溜めさん、乙です!
本当に今更なんだが、今の今まで書き溜めさんの事を
書き留めさんだと思ってマスタ。(コソッ
郵便屋さんじゃないんだからさ、自分・・・。
あぁ恥じカシィ・・・。

それはさておき、意味深な自担と☆が気になります。
☆、殺されちゃうのかなー・・・。
更新待っとります。



153 :ななしじゃにー:02/07/03 23:21 ID:O85AlvHJ
オールナイト日記に禿ワラです。
銃を取り出したところでは「ま、まさか…?」とドキドキしてしまいましたが。
日記、疑ってゴメソ…。
この先の展開がドキムネです。

154 :ななしじゃにー:02/07/03 23:27 ID:uPTX7RP1
>>152さま
貴方が言ってくれなかったら私もずっと書き留めだと
思っていた事でしょう……ハズカシー

155 :書き留めと書き溜め ◆3RpkmWIM :02/07/04 00:02 ID:5vCwCwS4
確かに似てますね・・・(w
152さんマンセーでございます。で、どうせなら現金書留キボン。

それでは今日の分の更新をします。

156 :73  ◆3RpkmWIM :02/07/04 00:09 ID:pCewL6tV

桜井翔は、崖下に転がる城島の死体を目にして、呆然と立ち尽くしていた。
ついさっき立ち寄った森には、東山の死体が転がっていた。
――何で・・・なんでだよ。
さっきからそんな言葉しか出てこない。
悲しもうにも、今目の前にあるこの現実すら受け止められなかった。
放送で呼ばれた名前。あまりにも聞きなれた名前で、
それを読み上げた今井の声も聞きなれた声。
なのに、今あるこの現実だけが明らかに浮いている。「何だよ!これ!!」
とうとう桜井は大きな声で叫んだ。
「訳わかんねーよ!誰だよ!こんな事したのは!!」
これ以上ここにいたら頭がおかしくなりそうだった。
だけど、泣くのは悔しかった。
こみ上げてくる涙を必死で押し留めようと、歯を食いしばる。
と、桜井の思考がそこでストップする。
――あいつも、こんな風に・・・?
教室での松本の様子を思い出して、桜井は身震いをした。
滝沢の死を目の当たりにしてから豹変した松本。
・・・あいつを一人にしておいたら危ない!
校舎を出てから、しばらくは松本を探してあちこちを歩きまわった。
なかなか見つからないので、諦めて灯台へ向かおうとしていたのだ。
そして、その途中で見つけてしまったのが・・・これだ。
一度は諦めたが、やはり放ってはおけない。
そう決心して身を翻した桜井の目に見慣れた人物が映った。


157 :74  ◆3RpkmWIM :02/07/04 00:11 ID:5vCwCwS4

「相葉!!」
その姿を確認した桜井は、相葉の身を案じる意味で近寄ろうとした。
「お前、お前はまだ大丈夫だな?ケガは?!」
ところが、相葉は微動だにしない。赤く腫れた目でこちらをジッと睨んでいる。
どうしたんだよ、と桜井が声をかけようとした時、
相葉の人差し指がゆっくりと、崖の下を指した。
「あれ・・・翔くんがやったの?」
「え?」桜井は驚いてそう聞き返す。
あれ、と相葉が指し示してるのは城島の死体。
その答えを聞かぬまま、相葉はゆっくりとそれに近づいていく。
そして、その顔にめり込んだ手斧に手をかけると、勢いよく引き抜いた。
メリッという、ひどくイヤな音がした。
「・・・ウッ」
桜井はその音と情景に耐え切れず、吐き気をもよおして手を口に当てる。
「東山さんのも、見た?」
振り返らずに手斧を見つめたまま、相葉が低い声でそう呟いた。
あぁ、と桜井が小さく返す。
「あれね、大野くんがやったんだよ。俺見てたんだ。」
「・・・・っ?!」


158 :75  ◆3RpkmWIM :02/07/04 00:16 ID:5vCwCwS4

声にならなかった。
まさか、そんなハズがないだろ!ふざけんな!と相葉に向かって怒鳴った。
相葉に当たってもどうしようもない事ぐらい分かっている。
でも、そう言わずにはいられなかった。
「そんなデタラメ言うな!」
その言葉に、ピクンと相葉の身体が反応する。
ゆっくりとこちらを振り返ると、冷え切った瞳で桜井を睨んだ。
「デタラメ?ふざけてるのはどっちだよ、翔くん。これやったのも翔くんなんでしょ?」
「違うっ!俺は誰も殺してない!!」
桜井は怒りと苛立ちを露にして相葉にたてついた。
「ふぅん・・・。でもね、きっと翔くんだって人を殺すんだよ。殺せるんだ。」
そう断言されて、桜井は何も言えなくなる。
否定すればよいだけの話だった、現に自分はまだ誰も殺していない。
(・・・・まだ?)
自分で自分が考えたことに、桜井は震えを覚えた。
――まだって何だよ・・・。
そんな自分を、相葉の言葉を否定できない自分をうらめしく思う。
「ほら、否定できないじゃないか・・・。もうイヤなんだよ、俺は。
こんな馬鹿みたいなところ、こんなおかしいトコ、早く出たいんだ!」
相葉の目にはいつしか涙が溜まっていた。


159 :76・ここまでです。 ◆3RpkmWIM :02/07/04 00:22 ID:pCewL6tV

何て声をかけてやればいいものかと桜井が頭の中をフル回転させていると、
突如として相葉の目の色が変わった。
「うわぁあぁぁっ」
手斧を頭の上で両手でつかみ、桜井に向かってきたのだ。
「やめろよ!相葉!」桜井が止めるのも聞かない。
手斧の予想以上の重さに相葉はよろめきそうになりながらも、
何度も何度も振り下ろしながら桜井を追い詰める。
後ろ向きに歩きながらその攻撃をよけていた桜井だったが、
とうとうその背中が太い木の幹にドン!とついた。
「往生際が悪いよ、翔くん・・・。」
相葉の鋭い視線と、同じように鋭い刃が桜井に向けられていた。
もう、逃げられない!!殺される!!
イヤだ・・・俺は死にたくない。死ぬもんか!
桜井が咄嗟に足を上げ、相葉の腹を思い切り靴の裏で蹴った。
「ぐ、はぁっ」
その衝撃に、相葉が身体を曲げて後ろへ倒れこむ。
「ちっちくしょぉぉ〜〜!!!」
怒りと悔しさをむき出しにして、更に手斧を振り下ろそうとする相葉。
桜井は必死になってその手をつかみ、ぐぐっと押し留めた。
至近距離で血走った二人の瞳がかち合う。

この手を振り下ろせば、翔くんを殺せる。
この手を離せば、俺は殺される・・・!



160 :ななしじゃにー:02/07/04 13:18 ID:ck9nnPrM
ひぃえーぇ!!傘とひらが!!!!!
うっ!!先が激しく気になります。
どうか、最悪の結果だけは・・・と祈りたい!!
次が更新されるまで、どきむねです〜〜。



161 :77  ◆3RpkmWIM :02/07/05 00:54 ID:HPcOGLph

その時だった。
それはあまりに突然の出来事だった。
ゆっくり、ゆっくりと相葉が自分に向かって倒れてくる。
まるでスローモーションのようだった。
「?!」驚いた桜井は咄嗟に身をかがめ、相葉を受け止める。
持ち主を失った手斧が、地面に勢いよくささった。
「うぅっ」
自分の腕の中で呻く相葉の背中に、何気なく手を添える。
ぬるり、とイヤな感触が手に触った。温かい、何か温かいものが・・・
――血?!
それに気付いた時には、もう既に相葉は真っ青な顔で苦しげに息をしていた。
――撃たれた?誰に?!
「おい!どうしたんだよ?!しっかりしろ!」その身体を急いで仰向けにする。
と、パーンと音がして、背後の木が揺れバサバサッと枝や葉っぱが落ちた。
――な、に??
桜井が見上げた先――崖の上には、
嬉しそうな顔でこちらを見つめている香取慎吾の姿があった。
「み〜〜〜っけ!」
鬼ごっこか何かで友達を見つけた時のように、そうやってこちらを指差す。
それでも全く反応しない桜井を見て、香取は眉をひそめて首をかしげた。
「いいの?逃げなくて。僕、君たちのこと殺すよ?」


162 :77  ◆3RpkmWIM :02/07/05 00:59 ID:HPcOGLph

「走れるか?!」
香取の言葉を聞き、桜井が焦って相葉の身体を抱きかかえる。
かろうじて立ち上がった相葉は桜井の支えで走り出した。
だが、走ると言っても限界がある。
桜井に身体を預けながらしばらくは足を引きずって走っていた相葉だったが、
とうとう力尽きて地面に倒れこんでしまった。
「何やってんだよ!お前、こんな所イヤなんだろ?逃げ出したいんだろ?」
相葉は何かを言おうとしたが、言葉の代わりにゴボッと血を吐いた。
頑張れ、と言おうとしていた桜井は、思わずその言葉を飲み込んだ。


香取は、急いで逃げ出した二人を見てニヤリと笑った。
「いいね〜面白いじゃん!」
そう言うと、まるで動物のような動きで崖を滑り降りる。
と、そこにある城島の死体、そして相葉の落とした手斧に視線を落とす。
「これ、あいつの武器か?いいもんみーつけたぁ。」
それを拾って、ブンブンと振ってみる。
また嬉しそうに笑うと、二人の逃げた方を見据え、ゆっくりと歩き出した。


163 :79・すみません・・・↑は78です(鬱  ◆3RpkmWIM :02/07/05 01:03 ID:q7fv9Pot

桜井は、息をするのも精一杯な状態の相葉を前に何をすることも出来ずにいた。
ただ出来るのは、横たわる相葉の手を握ってやることだけ。
しばらくそうやっていたが、やがて口を開いたのは相葉の方だった。
「・・・う、いい。もう、いいよ翔くん。ありがと。」
「何言ってんだよ?もういいって何だ!諦めんな!俺が助けてやるから。」
そこまで言って、またしても桜井はハッとした。
こんな状態の相葉を助けてやる術など、自分にはない。
明らかに相葉の命の灯火は消えかかっている。
――それに、もしあの時慎吾くんが撃たなかったら、俺が殺してたかもしれない。
死ぬのは怖かった。
その恐怖から逃れるために、相葉を殺そうと思った。一瞬でもそう思った。
それなのに、また口先だけの言葉が出てくる自分が悔しくて、腹立たしい・・・。
その目からボロボロと涙が零れ落ちた。
――何だよ・・・まだ死んでないのに、勝手に涙なんか出るなよ!
桜井が悔しそうに顔を歪める。


164 :80  ◆3RpkmWIM :02/07/05 01:09 ID:q7fv9Pot

「しぬ・・って、すごく痛いんだね・・・」相葉が何処を見るともなく呟く。
桜井にはもう、かけてやれる言葉が見つからなかった。
「良かった・・・俺、もう少しで翔くんのこと殺しちゃうとこだったから・・・。」
汗ばんだ手を握ってやりながらただうん、うんと頷いてやる。
「殺されるくらいなら、殺してやろ、うと思ったんだ。
ここから出たかった、帰りたかったんだよ。最低だね、俺・・・。」
「そんなの俺も一緒だ!お前が最低なら俺だって同じくらい最低だよ!
頼むからそんなこと言わないで・・・マジで。お前は悪くないよ・・・。」
泣きながら、苦しそうに言葉を吐き出す桜井を見つめる相葉の瞳は、
それとは対照的に静かな、落ち着いた光を放っていた。
きっと桜井は救いを求めているのだろう、と思った。
こうやって自分が目の前で死ぬことできっと今以上に重いものを背負うのだろう。
でも、責任も重荷も、それと同時に希望も、生きている者に託すしかない。
冷たいかもしれない、残酷な仕打ちかもしれない。・・・でも。
「お願いが、あるんだ。松本っさん・・ね。
あいつも・・・たぶん、俺みたいに、ね・・・だから。」
「分かった。分かってっからもうしゃべんな!!」
「あいつの・・ことも・・すくって、あげ・・」

相葉の手が、桜井の手をすり抜けてコトン、と地についた。
「あい、ば?」
その瞳が、静かに閉じられた。

【相葉雅紀 死亡  残り20人】



165 :81  ◆3RpkmWIM :02/07/05 01:11 ID:q7fv9Pot

楽しそうな足取りで二人を追ってきた香取は、
そこに横たわる相葉を見つけるとキョヨキョロと辺りを見回した。
一緒にいたはずの桜井の姿がない。
「なんだよ、お前置いていかれちゃったの?」
香取は少し同情するような口調でそういうと、足の先で軽く相葉をつついた。
ピクリとも動かないのを確認すると、
「レベルア〜ップ!」と、片手を上に上げた。

“殺し合い”、“国防のためのプログラム”。確かにバカバカしい。
でも、分かってる事はただ一つ。――これは、ゲームなんだ。
そうだ、あいつは確かにそう言った。これからゲームを始めます、と。
ゲームの世界に、俺たちは放り込まれた。
それなら、それを見事にクリアした奴がこの世界のヒーローだ。
ハハッと笑うと、香取は銃をしまい、手斧を持って森へ向かって歩き出した。
素直になろうよ、みんなぁ。死にたくないよね?誰だって。
恨むなら、こんなバカバカしいゲームを考えた奴らを恨んでよ。
誰を殺しても、俺の責任じゃないよ。
殺されても何も文句は言えないよね。だってこれは、ゲームなんだから・・・。
香取は不適な笑みを浮かべたまま、森の奥へと消えていった。



166 :82・今日は以上です。 ◆3RpkmWIM :02/07/05 01:13 ID:q7fv9Pot

桜井は、必死で走っていた。
涙や悲しみや怒り、自分に圧し掛かる重圧、全てを吹き飛ばそうと。
全力で走っていた。
それにもう泣いている暇なんてない。
あいつの最後の頼み、俺が聞いてやったんだ。
だから俺は行かなくちゃいけない。
桜井のナップザックの中には、相葉の持っていた武器――アイスピック。
これで、相葉の分まで俺は戦わなくちゃいけない・・・。
桜井はなおも走り続けた。



167 :160:02/07/05 01:36 ID:8qv0mNRv
うえ〜ん、ひらぁーーー!!涙、涙、、、
でも、傘にヤラれたんでなくて、ヨカタ
安らかに、眠ってくれ・・・合掌

168 :予告書き溜め ◆3RpkmWIM :02/07/06 00:04 ID:ZFCnMYWy
今日の更新は修羅場です・・・
そして長いシーンなので二夜に分けてうぷします。
今夜は83〜87までの予定です。では、また後程。

169 :83  ◆3RpkmWIM :02/07/06 00:34 ID:mIlwnmv5


その頃灯台では、坂本が調理に取り掛かっていた。
時刻は既に11時を回っている。
朝食もろくにとっていないから、そろそろ腹も減る頃だ。
運が良いことに、灯台にはちょっとした食料品や医療品なども揃っていた。
とりあえず、腹が減っては戦は出来ぬと、坂本が料理を作ると言い出したのだった。
埒が明かない話し合いの空気を一掃させたい、という意味でも。

自分たちの持つ武器で、出来ることは何か。
手榴弾を使って校舎を襲撃するか。それともいかだか何かを使って逃げ出すか。
はたまた島内をもっと探しまわって、何か逃げる道具か校舎を攻撃できるものを見つけるか。
どれもこれも、決め手にかける案だった。
それに上手くいく保障など何処にもない。
まだこの灯台にたどり着いていない者たちを待つのか、それとも諦めるのか。
それすらも、ハッキリと意思を揃えて決めることが出来なかった。
次第に焦りや苛立ちだけがつのる・・・。
そうやってただ時だけを費やし、もう既に3時間以上も経過していた。


170 :84  ◆3RpkmWIM :02/07/06 00:39 ID:N9uiTPkA

「うおぉ〜〜!!超いい匂い!」
太一が大袈裟に騒ぐ。いや、でも本当に嬉しそうだった。
坂本が灯台にあるもので作ったのは肉ぬきのシチュー。
中居も、感心した様子でそれを口にする。
「さかもっちゃん上手いねー!すごいよ、お店出せんじゃない?」
中居がそう言って茶化す。
「そうやって俺を芸能界から追い出そうとするなよ・・・。」
嫌そうな顔をする坂本を見て、太一と中居は本当に面白そうに笑い、
シチューを口に運んでは上手い上手いと褒める。
その二人が、競って「お〜いし〜っ」と大声を上げ、バカ笑いし始める。
だが、そんな和やかな空気の中で、草薙だけが浮かない顔をしていた。
「ツヨシ、お前どうしたんだよ。さっきから、ホラ!」
中居が草薙の背中をポン!と叩く。
「俺たちさ・・・、助かるのかな。」
草薙はスプーンを握り締めたまま小さな声を漏らした。
それはまた、ここにる全員が抱いていた不安でもあった。
サラリと核心をつく草薙の台詞に、それまで平静さを装っていた三人も押し黙る。
「こうやって一緒にいて。お互いに攻撃できないようにして安心してるけど。
でもさ、この島には武器を持ってる奴があと20人はいるんだよ?
こんなことでシチューなんて食べてていいのかな、って。意味はあるのかなっ・・て」
最後まで言い終わらない前に、中居が勢い良く立ち上がり、
草薙の襟元をつかんで締め上げた。
「お前・・・そういう事言うんじゃねーよ!あぁ?!何のためにこうやって皆で」
「中居くんだって本当は信用なんかしてないくせに、偉そうなこと言うな!」
草薙が唾を飛ばして中居に向かって叫んだ。


171 :85  ◆3RpkmWIM :02/07/06 00:43 ID:mIlwnmv5

「・・・なっ!!」
「さっき、夜二人で寝てるときだって、寝てるフリしてずっと起きてたでしょ?
僕のことだって信用してないんじゃないか!
いつ襲われるか分からないからって、疑ってたんだろ?!」
「お前ら、やめろよこんな時に!」
慌てて坂本が止めに入る。
仲間割れだけは避けたい・・・。
そしてそれと同時に、二人を見ていると
自分の心の闇をも映し出されているようで、辛かった。

バタンッ

そんな騒ぎの中に、扉が開いて二つの影が現れた。
「井ノ原!!」
あぁ、やっと来てくれたと、坂本は安堵の表情を浮かべる。
同時に、その後ろにいる三宅を確認してホッとした。
「やっとついたぁー。」
三宅は、前に立ちはだかったまま部屋に入ろうとしない井ノ原を押しのけて
ニコニコと笑いながら太一の隣の椅子に腰掛けた。
中居と草薙は複雑な表情のまま離れると、バツが悪そうに静かに椅子に座る。
「何か、あったの?」
三宅にそう尋ねられた太一は、何でもないよ、と笑顔でそう答えた。
一向に入り口から動こうとしない井ノ原に坂本が声をかける。
「井ノ原、お前なにやってんだ。早く入れよ。
それにしてもよかったよー、手紙渡す前にお前の」
「・・・その武器、こっちによこして。」


172 :86  ◆3RpkmWIM :02/07/06 00:47 ID:N9uiTPkA

坂本が言い終わらないうちに井ノ原がそう言った。
無表情のまま、坂本に向かって手を差し出す。
「は?」
坂本だけじゃなく、5人全員がぽかーんと口を開けて井ノ原を見つめた。
「なんだって?」太一が間の抜けた声でそうつぶやく。
「大人しく渡してくれたら何もしないよ。
それ皆の武器だろ?早くこっちによこせって。」
表情を変えることなく、ぶっきらぼうにそう言い放つ井ノ原。
その時、中居がキッと坂本に向かって鋭い視線を向けた。
「お前ら・・・やっぱりグルだったのか?!」
そう言って立ち上がると、机の上のベレッタに手を伸ばす。
「何言ってんすか中居くん!」
太一が慌てて立ち上がり、中居に近づこうとする。
「来んな!来たら撃つぞ!」
中居の怒鳴り声に、太一の動きが止まった。
ただならぬその気迫に、坂本と草薙もズズと後ずさる。
三宅は唖然として、その状況を見ていた。
――何、言ってんの?井ノ原くんも、中居くんも・・・。
「井ノ原を別に呼び出しといて、ハメようって魂胆だな?
食事なんて作って油断させて・・・きたねぇぞ!坂本ぉ〜〜!!」
中居が狂ったように叫びだし、その手の中のベレッタがパンパンと音を立てた。
「何言ってんだ!落ち着けよ!!」
坂本が慌ててその手を押さえこもうと思った、その時。
いつの間にか中居の背後に回った井ノ原が、その身体を羽交い絞めにした。

「てめぇ、無駄遣いすんじゃねぇよ。」


173 :87・こ、ここまでです(怖 ◆3RpkmWIM :02/07/06 00:54 ID:ZFCnMYWy

「ぐぁぁ・・あ」
苦しそうに、その拘束から逃れようと呻く中居の背中に、
後ろから思いきり膝蹴りを食らわす。
その衝撃に、中居の身体がのけぞって一度跳ね上がった。
「ん・・・ぐあぁっ!」
拘束を解き、中居の身体をそのままバタンと前に倒すと
すかさず銃をつかんでいる腕をつかみ、その腕をぐいん!と捻じ曲げた。
ボキッ
「ぎゃ、ぎゃあぁ〜〜!!!」
身も凍るような、すさまじい断末魔の叫びが狭い灯台中に共鳴した。
「・・・うるせぇよ。」
そう冷たく言い放った井ノ原の目が鈍く光る。
落ちたベレッタを拾い、銃口を中居に向けると何の躊躇いもなく引き金を引いた。
パンッ、と渇いた音が室内に響く。
あまりの急な出来事に動くことすら出来なかった坂本が、それを恐る恐る覗き込んだ。
中居は口から泡を吹いてヒクヒク言っていた。
見ると、その腕が明らかに不自然な方向を向いて曲がっている。
目がこぼれるんじゃないかと思うくらいに目を見開いた坂本が、
憤怒の表情で井ノ原を振り返った。
「・・・なんだよ、その目。」
不機嫌そうに井ノ原がそうぼやく。
「大人しくしてれば、何もしないって言ったのに。」

中居の身体はしばらく痙攣していたが、やがて、その動きを止めた。

【中居正広 死亡  残り19人】



174 :ななしじゃにー:02/07/06 03:15 ID:5z0Np6sE
書き溜めさん乙です。
ああ〜自担死にませんように!ハラハラ

175 :愛読者:02/07/06 04:20 ID:mwI77Gkc
J@バトロワも4本になって話がごっちゃになってきてる人が私の他にもいるはず。
というわけで集計してみました。間違っていたら直してください。
( )内は第三者として殺害現場を見てしまった場合、負傷中の場合、死亡者の武器が
他の人によって持ち出されていない場合等が書いてあります。
仕掛け人:今井 翼
<武器>
植草克秀(死亡・海岸)
香取慎吾【コルトガバメント】【城島の手斧】
二宮和也【ロープ】(香取により左肩負傷)
山口達也【ボウガン】(つよしの自殺目撃)
錦織一清【銃(ワルサーPPK9ミリ)】
堂本光一【探知レーダー】
大野 智【カマ】【東山のライフル】
坂本昌行【手榴弾2個】(中居の殺害現場目撃)
国分太一【拳銃(ベレッタM92F)】(中居の殺害現場目撃)
中居正広【催涙スプレー】(死亡・灯台)
草薙 剛【果物ナイフ】(中居の殺害現場目撃)
岡田准一【ハリセン】
森田 剛【植草から奪った稲垣の彫刻刀】(植草により胸部負傷)
長野 博【フォーク(プーさんつき)】(城島の死亡現場目撃)
長瀬智也(城島の死亡現場目撃)
櫻井 翔【相葉のアイスピック】(相葉の死亡現場目撃)
三宅 健(中居の殺害現場目撃)
<死亡>
滝沢秀明【爆死】
稲垣吾郎【殴殺・植草】
城島 茂【刺死・自滅】
堂本 剛【自殺】
東山紀之【刺殺・大野】
植草克秀【刺殺・森田】
相葉雅紀【銃殺・香取】
中居正広【銃殺・井ノ原】



176 :ななしじゃにー:02/07/06 08:10 ID:ApcF2x3y
書き溜めさん、乙です!
今回自担がブラック。
でも冷静に引き金引いちゃうブラックさに萌え〜です。
がんがって下さい。

177 :ななしじゃにー:02/07/06 08:23 ID:51gg92L1
書き溜めさん乙彼様です。
なんかすごくバトロワっぽい。
俺様の無表情が目に浮かぶよ。
今集まってる人たちの中で更なるブラックが生まれたら…
続きが気になる〜。
がんがって下さい!


178 :書き溜め ◆3RpkmWIM :02/07/06 23:54 ID:ZFCnMYWy
>>175さんありがとうございます。
ただ、平安はカマを殺害現場(ニガワラ に置いてってます。
そこの所ちゃんと書いておけば良かったですね、すみません!
それとは関係ないんですが、
どうして中堅だけ名字じゃなく名前表記にしたんだろう、と
今頃になって疑問に思う書き溜めです。なんでだろう・・・。

179 :88  ◆3RpkmWIM :02/07/07 00:01 ID:cnH8sfud

「馬鹿野郎!お前、何したか分かってんのか?!」
怒号と一緒に唾を飛ばしながら自分を睨みつける坂本を一瞥すると、
井ノ原は苛立たしいといった表情で、ナップザックの中に手を突っ込んだ。
それに気付いた太一が、今にも掴みかかろうとする坂本を慌てて止めようとする。
・・・だが、もう遅かった。
バララララララッ!!!
坂本の身体がまるでダンスでもするかのように暴れながら吹き飛んだ。
井ノ原がナップザックから取り出したサブマシンガンが火を噴いたのだ・・・!
「坂本くん!!」太一が蒼白な顔で叫んだ。
「やめろって!井ノ原!!」
駆け寄ろうとしたが、バララララッとまたすごい音が響き渡り
井ノ原が太一の身体をも吹っ飛ばす。
その身体のあちこちから、まるで噴水のように血が飛び散った。
「ひっ・・・・ひゃああっ」
その惨状を眺めていた草薙が、転がるように部屋から逃げ出していく。
井ノ原はバッとそちらを向くと、今度は中居から奪ったベレッタの引き金を引き、
それをパン!と一発放った。
急所は外れたがどうやら当たったようだ。
だが、それでも草薙はヨロヨロと階段を降りて逃げていく。
何も持たずに行った事を確認すると、井ノ原は黙ってそれをしまった。

――馬鹿・・・やろ・・う
坂本が、最後の力を振り絞って手榴弾に手を伸ばそうとしていた。
――お前も道連れだ・・・井ノ原!!
1cm動くだけで、自分のあちこちから血がビュンビュンと噴き出していく。
あと、少し、もう少し・・・
かすむ視界、遠のく意識を必死で支えながら震える腕を伸ばす。
と、それ――手榴弾に、かすかに手が触れた。
「何してんの、坂本くん。」


180 :89  ◆3RpkmWIM :02/07/07 00:09 ID:AoomM+NH

井ノ原の低音の声が上から響く。
その次の瞬間、坂本の肩をガン!と足で思い切り踏みつけた。
「ああぁぁぁっ!!」
それきり動かなくなった坂本をチラリと見ると、
井ノ原はその手榴弾もつかんでナップザックにしまった。


まるで地獄絵図のようなその凄惨な場面の一つ一つを、
三宅は部屋の隅で、ただガクガクと震えて見つめていた。
さっきまであんな風に笑っていた太一が、坂本が・・・そして中居が。
井ノ原はそんな事をしたのがまるで当たり前のことのように、
武器や弾を次々にナップザックにしまっている。
今まで遥か遠くにあった非現実的な現実を、いきなり目の前に突きつけられた。
――いのはら、くん?
そう呼ぼうと思ったが、声にならない・・・。
ところが、まるでその声が聞こえたかのように、井ノ原がこちらへと歩み寄ってくる。
思わず身体がビクつき、震えが一層激しくなった。
井ノ原は身をかがめ、小さく丸まっている三宅を上から見下ろすと
「お前の武器は?」と、ただ一言、そう尋ねた。
震えてしゃべることも出来ない三宅は、黙って自分の武器――鍋のフタを差し出す。
それを見た井ノ原は、それを一瞥するとチッと舌打ちをした。
「・・・んなもん、いらねぇよ。」
吐き捨てるような視線と言葉を放つと、井ノ原は黙って部屋を出て行った。


181 :90  ◆3RpkmWIM :02/07/07 00:13 ID:CaBJQtoT


――あいつ・・・井ノ原。どうしたんだよ一体。
「なんだよこれ・・・すごい痛いってば・・・。」
そう言ったつもりだった。
だが、太一の口から出たのは苦しげな息と、血だけ。
自分の吐く血に溺れそうになりながら、遠のく意識を必死で支える。
――こんなはずじゃなかったのになぁ・・・。
こんなつもりで皆を集めたんじゃないよ。
山口くんとかがいれば、何とかなりそうだと思ってたのに。
井ノ原も、一緒に色々考えてくれそうだと思ってたのに。
それで、それ以外の皆を一緒に探しに行こうと思ってたのに。
残ったのが健だけじゃなぁ。
長瀬とか、松岡も、どこで何してんだろ・・・

笑ったつもりだった。アハハ、と笑いたかった。
それでも口から出るのは、ゴボゴボという血を吐くイヤな音だけ・・・。


182 :91  ◆3RpkmWIM :02/07/07 00:21 ID:4UeKb4tw

『・・・んなもん、いらねぇよ。』
井ノ原の声が、三宅の頭の中でリフレインする。
お前なんていらないとでも言うような、存在自体を否定するかのように蔑む視線。
三宅は、震える身体を自分の両手で抱きしめながらフラフラと立ち上がった。
その時初めて自分のいる部屋の悲惨さを目の当たりにした。
壁に、そして床に広がる。赤、赤、赤・・・・
「気持ち悪い・・・。」虚ろな瞳で三宅が呟く。
と、ゴボボッという音がしてそこに目をやると、倒れている太一の口から血が溢れた。
――まだ生きてる?
三宅は、恐る恐るそれに近づいた。
そこには体中に穴が開き、その穴という穴全てから
冗談みたいに血を噴き出している太一と坂本の姿があった。
坂本はかすかに息をしている程度で、もう意識は完全にない・・・。
ヒッと声を上げて後ずさろうとすると、何か言いたげな太一の口がかすかに動き、
その度にゴボゴボと血を吐き出した。
「やだ・・・見ないでよ・・・。」
三宅は泣き顔とも怒りとも取れない表情を浮かべ、頭を左右に振りながら後ずさりする。
「見んなよ!見るな見るな見るな見るな!!」
狂ったようにわめき散らすと、頭をかきむしり、手や足をバタバタさせて暴れ出した。


183 :92・今日は以上です(泣 ◆3RpkmWIM :02/07/07 00:28 ID:cnH8sfud


ほら、やっぱり健だけじゃダメじゃんか〜〜・・・。
第一、気持ち悪いってなぁ。お前って奴は本当に。
どんどんかすんでいく太一の視界に、微かに健の姿が映る。
痛みすらも感じないほど意識も少しずつ遠くなるのが自分でも分かる。
こんな所に一人で残されて、あいつはどうするんだろう。
ごめんな、自分で皆を集めておいて無責任だけど。
お前を残していくのも不安だけど、頑張れよ。
それより、このまま死んだら俺はどこへ行くんだろう。
ちゃんと、あの世ってのがあるのかな。
死んだ皆が待ってる場所があんのかな。
死んだ後も、健や皆を見守れる場所があんのかな・・・。

あると、いいなぁ。


やがて、坂本と太一はほぼ同時に息絶えた。

【国分太一・坂本昌行 死亡  残り17人】



184 :リアルタイムで読んだみたい・・・:02/07/07 00:33 ID:Qi6oWceN
太一やさしい・・・・ 惚れそう(いやいや・・・)
しかしブラックいのっちの頭の中はどうなってしまったんだろう・・・。

いつも御苦労様です、ますます楽しみになりますた。

185 :ななしじゃにー:02/07/07 01:18 ID:B6fd8kCi
書き溜めさん乙彼さんです。
俺様カコイイ!!(藁
でも死んでいったみんなを思うと切ない。
中堅と何様が同時に逝ったのが救いだな。
☆は狂ったりしないだろうか?

186 :ななしじゃにー:02/07/07 02:02 ID:U6O8g+8I
嗚呼中堅・・・なんだか副将の「だからお前は詰めが甘いんだよ」という声が聞こえてきそうでつ
まぁそんな詰めの甘さが中堅の中堅たるゆえんなんですが・・・
いつもドキワクしながら読んでますよう

187 :ななしじゃにー:02/07/07 02:04 ID:11jhkuPm
書き溜めさん乙。
ジャニ板バトロワで自担がはじめて死んでしまった。けっこう複雑(ワラ
でも続き楽しみにしてます。


188 :ななしじゃにー:02/07/07 02:50 ID:6m1yfs8f
乙です。
2押しの何様が4作品で初めてお亡くなりになってしまいました。南無ー。
今後の☆が気になるところです。
がんがってください。

189 :ななしじゃにー:02/07/07 03:21 ID:NAyIxvXx
鳥肌立ちますた…。
俺様〜!大量殺戮かよっ!
死んでいった皆と☆が憐れだ。・゚・(ノД`)・゚・。

190 :93・皆さんレスありがとうございます ◆3RpkmWIM :02/07/07 23:41 ID:cnH8sfud


太陽の光が眩しい。
禁止区域を避けながら歩いてきた木村がたどり着いたのはミカン畑だった。
――誰かがここにいたのか?
井戸には使った形跡があった。
トラクターにもパンのカスやゴミが落ちていて、誰かがそこにいた事を知らせている。
だが、周りを見渡しても人の気配はない。
諦めて足を踏み出した木村の目に、何かメモのような紙切れが映った。
しゃがんで、それを拾い上げる。
「灯台・・・?」
木村は少し考えると、灯台の位置を地図で確認し、また歩き出した。



191 :94・自担が死ぬ場面を書くのは ◆3RpkmWIM :02/07/07 23:48 ID:AoomM+NH

その頃、光一はまだ民家にいた。
自分の武器は人の位置を知らせてくれる簡易レーダー。
誰かが近づいてくればこれが教えてくれる。
だったらそれまでは焦らずに、ゆっくりしていようと思った。
戦うのが趣味なわけじゃない。
自分から危険なところへ飛び出していくのも馬鹿らしい。
そうして居間にあるソファに寝転び足を伸ばしていたのだが、
レーダーが反応することもなく時が経ち、
いつの間にか時計の針は12時をまわろうとしていた。
――もうすぐ2回目の放送やな・・・。
1回目の放送で呼ばれた死亡者、その中につよしの名があった。
でも何故か、光一は思ったほど驚かなかった。
もう会えない予感がしていたのはこれだったんかな・・・、フとそう思った。
見たわけじゃないけど、きっと、確かにあいつは死んだんだ。
悲しい?悔しい?
・・・よく分からない。
とても不思議な気持ちだった。自分でも不思議なくらい、穏やかだった。
でも、あの風を感じたときから、なんとなく分かっていたのかもしれない。
「なあ。あれ、お前やったんか?」
――知らせに来たんか?俺に。
自分以外に誰もいない部屋でそう呟いた後、妙に気恥ずかしくて一人笑う。
「うわぁ、俺クッサイなぁ・・・つよしが乗り移ったか?!やめてくれー。」


192 :95・非常に妙な気分@書き溜め ◆3RpkmWIM :02/07/07 23:56 ID:AoomM+NH

そう言って光一がソファから起き上がった、その直後。
それまで沈黙していたレーダーが急に音を立てた。
ピーッ、ピーッ・・・
小さな音で、誰か近づいてくる人物の存在を光一に伝えるその光の点滅。
――誰や?!
密室で遭遇するというのは危険だと判断した光一は、静かに裏口へと向かう。
そこに住んでいた子供の物だろうか、戸口に木製のバットが立てかけてあった。
咄嗟にそれをつかんで外に出ると、壁づたいにそろそろと歩く。
汗が顔をしたたり落ちる。
その音すらも響くんじゃなかろうか、と余計に心臓の鼓動が早まった。
ガタンッ
と、壁に立てかけられていた長い木の板が肩に触れ、それが音を立てて倒れた。
(うわぁ〜もうアカン!!)
もうこうなったら仕方ない。いちかばちかや!
腹をくくった光一は勢いよく壁から飛び出した。


193 :96  ◆3RpkmWIM :02/07/07 23:58 ID:4UeKb4tw

「あ・・・。」
レーダーが存在を知らせたその人物は、松岡昌宏だった。
二つの視線が、ぶつかる。
――どないしよ・・・・。
飛び出たはいいが、襲いかかるべきか?
だが、松岡も驚いた様子でこちらを見ているばかりで一向に襲い掛かってこない。
(こういう場合、こっちから攻撃を仕掛けるべきなんやろか・・・)
一方松岡も、どうしたものかとその場に立ったまま固まっていた。
妙な空気が二人の間を流れる。睨めっこのように見つめあったまま。
「プッ・・・」
「クククッ・・・」
もうこらえきれなかった。
お互いの顔がプルプル震えだし、爆笑してしまうまでそう時間はかからなかった。
「お前なーこういうトコで笑うんじゃねぇよ!」
松岡が、自分も笑っているくせに光一に向かって文句を言う。
「だめなんですって。こういう状況で笑っちゃう奴なの!俺は!」
開き直って笑い続ける光一を見つめたまま、松岡が不意に真顔に戻った。
「どーする?お前、そのバットで俺のこと殺す気、あるか?」
真剣な眼差しでそう問われた光一は、少し考えて静かに首を横に振った。
「いや・・・、無理です。そんな気ないです。」
「ちなみに俺の武器はこれな。」
そう言って松岡が片方の手を上げて見せる。
その手には、護身用の警棒が握られていた。
「お互い一応はちゃんと戦える武器だけど、戦わないなら何に使おうか。野球とか?」
松岡が明るい口調でそう言って微笑む。
光一もそれにつられて笑みをこぼした。


194 :97  ◆3RpkmWIM :02/07/08 00:05 ID:0WrX4jBb


木々の間からのぞく太陽が、じきに真上に差し掛かろうとしている。
葉や枝の間から漏れる光が神秘的な美しさを放っていた。
殺し合い、なんていう名目がなければ、最高の環境やなここ。
――こういうとこでプロモとか撮ったら、すげぇ綺麗な映像撮れるんやろなー。
岡田は自分のいた場所が禁止区域に指定されたのを放送で確認し、
あの景色の綺麗だった丘からは移動していた。
ハリセンをびゅんびゅんと振りながら歩いていると、
岡田の目に何か、動くものが映る。
――なんや?あれ。
目を凝らすと、それはゆっくりと動いて・・・。
「松本?」
考えてみたら、校舎を出てから始めて見た、会った人間だった。
何か妙に懐かしい気持ちになったが、その松本の様子が何かおかしい・・・
誰かと話してる?最初はそう思った。
だが、よく見るとその近くには誰もいない。
時に上を向いたり、俯いたりしながら一人でブツブツと呟いているだけ。
岡田はなんとも異様なその光景にゾッとした。
すると、こちらに気付いた様子でもないのに、
ふらりふらりと身体を揺らしながらこちらへ近づいてくる。
両手は力なくダランと垂れていて、前傾姿勢。
(こっちに来る!)
慌てて逃げる体勢を取ろうとした時、突如として松本の笑い声が響いた。
岡田は恐怖のあまり、金縛りにあったのようにその場から動けなくなってしまった。
「ひゃはははっ」
すると、松本が甲高い声を上げて全力疾走で突っ込んできた。


195 :書き溜め ◆3RpkmWIM :02/07/08 00:14 ID:YHT9y7Mu
レスくれた皆さん、ありがとうございます!励みになります。
そして、担当を亡くされた皆さん本当にごめんなさい。
というか私自身も、自担を最後まで生き残らせる訳にはいかないので
必死こいて死ぬ場面を書き溜めたわけですが(w
次回更新で100突破。ゲームもちょうど折り返し地点。
勢いだけでここまで来ましたが、これからも勢いでがんがります(ニガワラ

196 :ななしじゃにー:02/07/08 01:06 ID:TEZR11UM
書き溜めさん乙彼様です。
キム様、灯台のあの現場見たらどうなっちゃうんだろう?
歪コエーし。
凸ピンチ?!

197 :ななしじゃにー@愛読者:02/07/08 02:27 ID:Qh8dWyP7
書き溜めさん乙です。
凸ぉ〜逃げろ〜!!と続き楽しみにしてます。
集計の際、平安の【カマ】を置いてきている事見落としてごめんなさい。
集計改訂版うぷした方がいいでしょうか?


198 :ななしじゃにー:02/07/08 02:39 ID:EtC6HX0k
みんながんがれ!

199 :ななしじゃにー:02/07/08 06:18 ID:h0y+24Xc
書き溜めさん乙
歪の描写が生々しくて気持ち悪くてよかったです。
かなり凸のコワッっていうの分かるよー

200 :200ゲット書き溜め ◆3RpkmWIM :02/07/08 23:54 ID:YHT9y7Mu
>愛読者さん
いえいえ!ちゃんと書かなかった私のせいです(苦笑
誰がどんな武器を持っているかハッキリさせてない部分もあるので
集計しにくいと思います。なので、できる範囲で結構ですからね!
お心遣い本当にアリが糖ございます。
私も自分で集計できる部分はせねば・・・失敗しそうですが(w

201 :98  ◆3RpkmWIM :02/07/08 23:58 ID:50EpawM1
「・・・わっ!!」
恐ろしい程の素早さで目の前まで迫ってきた松本に驚き
慌てて後ろへ下がろうとするも、つまずいてそのまま後ろへ倒れてしまう。
それを見た松本は、より一層楽しそうにケタケタ笑うと、
倒れた岡田の腹を思い切り靴で踏みつけた。
「ぐはぁぁっ・・・」
腹を押すと音が鳴る人形のように声をあげた岡田を見た松本は
瞳を輝かせて、何度も何度も踏みつけた。
面白いように踏む度に悲鳴を上げる。
その腹を、楽しい遊びを覚えた無邪気な幼児のように夢中になって踏み続けた。
しばらくやられっぱなしだった岡田が、必死の形相で上半身を起こし、
松本の足をグッと抱え込むようにつかんだ。
「っ?!」
松本はつかまれた方の足をブンブンと動かして、必死で岡田を振り払おうとする。
「でぇああ〜〜っ!!」
渾身の力を込めて、岡田がその足を軸に松本の身体を倒した。
ギャッ!と声を上げて松本が地面に勢いよく突っ伏した。
「んん・・・あぁぁ?」
起き上がろうとした松本は、不意に、自分の顔に流れるものを手で確認する。
その手についた赤い血を見て、またもや嬉しそうにニコリと微笑んだ。
「松本!お前どないしてん!!」
そう叫んだはいいが、かすれ声しか出ない。語尾が自然に裏返ってしまう。
腹に何度も強い衝撃を受けた直後に大声を出したためか、
胃からこみ上げてくるものを押さえきれず、岡田はその場で嘔吐した。
松本はそれを見て嬉々とした表情を浮かべ再び襲いかからんと立ち上がる。
「・・・?!」
だが、何かに気付いたのか、急に身を翻すと元来た森の奥へと消えて行った。


202 :99  ◆3RpkmWIM :02/07/09 00:01 ID:tzivKkv5

――今度は・・・なんやねんな。
吐き気と痛みで世界がぐるぐる回る。
思考もうまく働かない上、視界もぼやけてよく見えない。
なんだよ、次は一体誰だ?なんなんだ?!

「み〜〜〜〜っけ!」

何故だかは分からない。だが、岡田はその声にただならぬ恐怖を感じ取った。
何も見えない、その声の持ち主が誰なのか、その判断すらままならない。
だが、とにかく怖かった。
――殺される!!
咄嗟にそう思った。本能がそう感じ取っていた。
岡田は自分の持っていたハリセンを探そうと地面を必死で漁って、
やっとの思いで手につかむ。
訳も分からずそれをブン、ブン、と振った。
訳も分からず、叫びまくった。


203 :100  ◆3RpkmWIM :02/07/09 00:05 ID:8n4fOsfv


気付いた時、世界は真っ赤に染まっていた。

――うわぁ〜〜〜綺麗な紅やなぁ・・・。
「なんだよ、ハリセンかよ。いらね〜。」
「レベルアーップ!」
――誰の、声や?慎吾くん?
   それにしてもなんやめっちゃ熱い、熱い・・・。

遠のく意識の中、今度はかすかに別の声が聞こえた。

倒れている岡田の身体を抱いて、必死で声をかけていたのは錦織。
錦織が来た時には、既に岡田の身体は真っ赤に染まっていた。
周りには、まるで水溜りのようにおびただしい量の血液があふれ出している。
(何か大きな刃物でやられたのか・・・?!)
よく周りを見ると、そこに血がベットリと付着した手斧が転がっていた。
――これで・・・?
あまりにむごい岡田のその姿に、錦織は言葉を失う。
ここまでやられて今生きているのが不思議なくらいだった。
破れた服からのぞく腹部は、赤黒く晴れ上がっていて酷い打撲を負っていた。


204 :101  ◆3RpkmWIM :02/07/09 00:08 ID:ZyJvLUJT

「は・・・はぁっ・・・」
岡田の口から微かな、声とも息とも取れない音がもれる。
「岡田!お前、誰にやられた?!」
錦織がそう必死に叫んでいると、またスピーカーから音楽が流れ出した。
時計を見ると、ちょうど12時を回ったところだった。
朝の放送と同じように今井の声も一緒に流れ出す。
・・・と、岡田の目がわずかに開いた。
「岡田!分かるか?何か言いたいことがあったら言え!岡田!!」
だが、岡田が反応したのは今井の声でも、耳元で叫ぶ錦織の声でもなかった。
――レクイエムや・・・。
岡田の耳に届いたその音楽。そう、確かヒーリングのCDに入っていた。
そう言えばこの歌詞、ちょっと気になって書き出してみたんだった。
なんやったっけ・・・あぁ、そうや。

“彼らに永遠の安息を 与え給え” 

島中に、レクイレム(鎮魂歌)の静かな歌声が響き渡る。
生きている者の上にも、息絶えた者の上にも、今まさに死にゆく者の上にも。
錦織の腕に、岡田の体重全てが、重くのしかかってきた。

【岡田准一 死亡  残り16人】



205 :102  ◆3RpkmWIM :02/07/09 00:13 ID:tzivKkv5

『・・・、植草克秀、相葉雅紀、中居正広、坂本昌行、国分太一。以上5名が、
あ、たった今もう一人の死亡者が出ました。岡田准一。以上6名が死亡。
現在12時、これでゲームも折り返し地点です。残り時間は・・・』


松岡と光一は、あれから民家の中に入っていた。
そこで放送を聞く二人に、重苦しい沈黙がやってくる。
「なぁ、光一。」
光一は返事をする代わりに顔を上げた。
「俺さ、太一くん達んとこ行かなかったんだ。皆で集まろうって手紙が回ってきて。
それ読んだんだけどさ、行く気になれなかった。行けなかった。
集まってもどうしようもないって思ったしさ。誰が集まるかも分かんねーし。
そんな中で俺・・・、自信なかったんだと思う。」
松岡は、光一に語りかけると言うより自分と対話をするように話し続ける。
「でもやっぱり、最期の最期まで希望は捨てるべきじゃねーよな・・・。」
「はい。」光一が改まって頷いた。
「死のうと思えばいつでも死ねる。殺そうと思えば、殺せる。
でも生きるのは生きてるうちしか出来ない。一回死んじまったらそれで全部おしまいだ。」
力強くそう言った松岡の顔が、握り締めたその拳が、かすかに震えていた。
その瞳には、涙の代わりに様々な色が浮かんでいる。
光一にはその思いが何となく分かる気がした。

既にたくさんの仲間達が命を落としていった。
いや、“仲間”という言葉だけじゃ足りない大切な人間が何人も。
生きている自分達が、生きてる間、その命を精一杯生きることが何よりの供養になる。
そう思いたかった。



206 :集計@書き溜め ◆3RpkmWIM :02/07/09 00:18 ID:8n4fOsfv
滝沢死亡(首輪により爆死)
>>35-38
稲垣死亡(植草により撲殺)
>>48-50
城嶋死亡(事故死)
>>79-80
堂本剛死亡(自殺)
>>88-91
東山死亡(大野により刺殺)
>>96-98
植草死亡(森田により刺殺)
>>128-130,>>138-139
相葉死亡(香取により射殺)
>>156-159,>>161-164
中居死亡(井ノ原により射殺)
>>169-173
国分・坂本死亡(井ノ原により射殺)
>>179-183
岡田死亡(香取により刺殺)
>>201-204

間違ってたらすみません・・・

207 :反省・・・書き溜め ◆3RpkmWIM :02/07/09 00:30 ID:tzivKkv5
滝沢死亡(首輪により爆死)>>35-38
稲垣死亡(植草により撲殺)>>48-50
城島死亡(事故死)>>79-80
堂本剛死亡(自殺)>>88-91
東山死亡(大野により刺殺)>>96-98
植草死亡(森田により刺殺)>>128-130,>>138-139
相葉死亡(香取により射殺)>>156-159,>>161-164
中居死亡(井ノ原により射殺)>>169-173
国分・坂本死亡(井ノ原により射殺)>>179-183
岡田死亡(香取により刺殺)>>201-204

すみません・・・ことごとく長老の呼び名や字を間違える(鬱

208 :浦島太郎:02/07/09 00:34 ID:1T1uJIUk
ここ2,3日空けてて、やっと来れたと思ったら追いつくのが大変!
しかし、副将にも会えずに中堅がぁ…ナムナム。
でも中居&何様&中堅の野球友達が一緒に死ねて救われ〜。
臨場感あって最高です。この先も楽しみにしてます。
がんがってくだされ。

209 :ななしじゃにー:02/07/09 00:38 ID:wNKMU8aY
書き溜めさん乙〜。
凸リン、運が悪かったね。
最期にレクイエムに反応するあたり凸っぽかった。
ますます面白くなってきますた。
ガンガレー!

210 :ななしじゃにー:02/07/09 00:56 ID:liVEb4ma
初めて市にました、泣けた〜

書き溜めさん乙です。まだまだ頑張って下さい!

211 :ななしじゃにー:02/07/09 01:08 ID:zGpz+mIB
松潤と慎吾…怖いよー。

212 :ななしじゃにー:02/07/09 01:20 ID:h4gtLAKR
やい副将!世話になった先輩も、苦楽を共にした戦友も
一緒にいるのが当たり前のようだった親友も、同い年の野球仲間も
慕ってくれた後輩もみんな先に逝っちゃったんだぞ。
このまま何とも思わないでくたばるつもりなのか!!

と展望台の上でポカーリしてるであろう副将にはっぱかけたい(w)


213 :103・これらの台詞だけはどうしても ◆3RpkmWIM :02/07/09 23:30 ID:tzivKkv5


「太一くん・・・坂本くんも、植草くんも、岡田も、それから・・・」
放送を聞いた長瀬は、その大きな身体を震わせていた。
「何でだよ!何でみんなそんな簡単に殺しちゃうんだよ!!」
長瀬の悲痛な叫びが、空しくこだまする。
――悔しい・・・悔しい!!
仇を取る?
だが、そうするという事は、自分も誰かを殺すということ。
長野に襲い掛かった時は、気付いたら身体が先に動いていた。
“リーダーが殺された!”
そう思ったら、ああやって飛びかからずにはいられなかった。
拳銃の音に驚いて逃げはしたが、あのまま殺していたら仇である長野と、
それだけじゃなく、太一や皆を殺した奴らと同類になっていたということだ。
「じゃあ一体どうしたらいいんだよ!!俺はどうしたらいいんだ!?」
狂ったように泣き叫ぶ長瀬。
と、その背後から、低い声が響いた。

「死ねばいいんだよ。」


214 :104・使いたかったんです。そして ◆3RpkmWIM :02/07/09 23:36 ID:tzivKkv5

長瀬がバッと後ろを振り返ると、そこには無表情で突っ立っている井ノ原の姿があった。
「いのっ・・ち。」
知らず知らずのうちに一歩二歩、と後ずさりする長瀬。
「よぉ、長瀬。なぁ、お前の武器は?」
固まったまま何も答えようとはしない長瀬に、井ノ原は心底嫌そうな顔をする。
「そういう態度がね、身を滅ぼすんだよ長瀬。
太一くんや中居くんや坂本くんも、皆そうやって死んでったんだから。」
「なんだって?」
長瀬が即座に聞き返すと、井ノ原はもう一度ハッキリと言った。
「大人しく武器を渡せば何もしないって言ってんのにさ。」
何の罪悪感もなく、悪びれる様子もなく、まるで当然のことのように話す井ノ原。
「何で、何でそんなこと・・・。」
長瀬が小さい声でそう呟いた。
あんなに皆と仲の良かった井ノ原が、何故?何故そんなことを?
信じられない・・・、信じられるはずがなかった。
「“何で”?」そう聞き返した井ノ原の表情が、少し変わる。
「くだんない事聞くなよ、長瀬。じゃあお前はどうしたいわけ?死にたい?」
長瀬の身体が、ピクンと反応する。
「どうしたらいいか分かんないって、さっき叫んでたけどさ。
俺の場合、どうするかなんて考えるまでもないね。俺は生きるよ。」
――生きる・・・。
長瀬は無意識のうちに、その言葉をそのまま呟いていた。
「俺は生きたい。何か間違ってる?」


215 :105・末っ子に言わせたかった@書き溜め ◆3RpkmWIM :02/07/09 23:47 ID:tzivKkv5

何も、何も間違ってはいない・・・。
長瀬は何も言い返せなくなっていた。
だからって人を殺していいのかよ!?
そんなお決まりの台詞を吐いてみようとも思ったが、
“生きたい”という強い意志を含んだ言葉に比べたら、ひどく陳腐なものに感じられた。

「生きるってことすらも思いつかなくて、その上どうしたらいいか分かんない?」
井ノ原は、鋭い視線で長瀬を睨みつけた。
「だったら答えは簡単だよ。お前は、死ぬしかない。
生きたいとも思わない甘ったれた奴に、生きる資格なんてねぇんだよ。」
長瀬はそのまま、あっけなく井ノ原に殴り倒された。
井ノ原は長瀬の荷物を手に取ると、中をガサガサとあさる。
と、中から出てきたのは小さなギターのピック。たったそれだけだった。
「・・・んだよ、またこんなくだらねぇモン。」
苛立ちに顔を歪めると、ナップザックをそのまま放り投げる。
長瀬はまるで人形のように抵抗する気力も失い、倒れたまま動こうとしない。
その時だった。
「長瀬!!」
その声に、井ノ原がゆっくりと顔の向きを変える。
息を切らしてそこに飛び出してきたのは長野だった。
「井ノ原・・・お前、何してんだよ・・・。」
長野にそう問われて、井ノ原はひどく残念そうにため息をついた。
「坂本くんに続いて長野くんまで、そんなつまんない質問するんだね・・・。
何で俺の邪魔すんだよ。一番俺のこと理解してくれてると思ってたのに。」
「どう、どう理解しろって言うんだよ・・・人を殺そうとするお前をか?
井ノ原ならやりかねないって?仕方ないねって?そう理解して欲しいのか?!」
少し考えてから、井ノ原は黙ったまま静かにサブマシンガンを構えた。


216 :今日はここまで@書き溜め ◆3RpkmWIM :02/07/09 23:58 ID:tzivKkv5
今日は映画(原作)にもある台詞を使わせていただきましたが
もう一つ、使えたら使いたいと思っている台詞があります。
誰が、どんなシーンでそれを言うことになるのか
お楽しみに、と言える程でもないのが悲しいですが(w
使えるといいなぁ・・・という希望的観測@書き溜めです。

217 :ななしじゃにー:02/07/10 00:30 ID:czPw3YA4
書き溜めさん乙彼〜ライス。
俺様の言葉にゾクッときますた。
博様やられちゃうのかえ?
何様に続き、同G対決にドキムネ!!
書き溜めさんガンガレー!

218 :ななしじゃにー:02/07/10 02:08 ID:MbY5Wg6w
4ケ所読んでますが、もしかして凸死ぬの初めてか…
凸らしい死に方だったな。>レクイエムに反応

219 :106  ◆3RpkmWIM :02/07/11 01:12 ID:TXGMoxMJ

バララララッと音がして、地面に倒れたままの長瀬の身体が踊る。
「長瀬っ!!!」
急いで駆け寄る長野。井ノ原からの攻撃を想定してのことだったが、
何故か井ノ原は黙ったまま、その長野の行動をジッと見ている。
だが、長野にはそんなことを気にしている暇はない。
「長瀬!長瀬、しっかりしろ!」
「うあぁぁ・・、な、がの君?」
弱々しくそう呟くと、長瀬は苦痛に顔を歪めながらも口をパクパクと動かした。
「う・・・あぁぁ・・。」
まだたくさん言いたいことがあるのに、うまく声が出ない。
まだやりたいこともいっぱいあるのに、もうどこも動かない・・・
悔しくて悔しくて、涙が溢れた。
「俺ね、俺もやっぱり生きた・・い、っスよ・・・。死にたくない、死にたくないよお!」
最期の力を振り絞ってそう泣き叫ぶと、長瀬の頭がガクンと力を失った。

【長瀬智也 死亡  残り15人】


「生きたいって、今頃気付いても遅いんだよ。」
背中から聞こえる、その聞きなれた低い声。
長野はやりきれない思いでいっぱいだった。
自分らしくしろ、と言われて。
やり残したことを自分なりに精一杯考えて、長瀬を追ってきた。
それなのに、自分は長瀬を助けることすら出来ず、しかも、
その長瀬に手を下したのは長年一緒に過ごしてきた井ノ原だった・・・。


220 :107  ◆3RpkmWIM :02/07/11 01:13 ID:TXGMoxMJ

「井ノ原、最後に一つ聞いていい?」
長野が、井ノ原に背中を向けたまま静かな声でそう尋ねた。
「何?長野くん。」
「お前、生きたいんだよな?」
井ノ原から言葉は返ってこない。返事をするまでもない、というように。
「生きたいと思うのも自由だ。お前の勝手だよ、井ノ原。
その代わりちゃんと背負って生きてけよ。長瀬の命も・・・出来れば僕の命もね。」
「あ?」井ノ原が聞き返すと、長野が静かに立ち上がった。
『死にたくない、死にたくないよぉ!』
長瀬の泣き叫ぶ声が頭から離れなかった。
――ごめん、ごめんね長瀬。命譲ることは出来ないけど・・・。
「・・・一緒に死んでやることくらいなら、俺にも出来ますよね?錦織くん。」
一言そう呟き、瞳を閉じて深呼吸すると、静かに天を仰いだ。

井ノ原はそんな長野の背中を黙って見つめていた。
と、次の瞬間、長野はぐわっと振り返ると
何か銀色に光るものを手に井ノ原目がけて突っ込んで来た!
「・・・っ??!!」
それが刃物か何かだと判断した井ノ原が、慌ててサブマシンガンを撃ち鳴らす。
すると、弾け飛ぶように後ろに倒れた長野から、キラリと光る何かが落ちた。
――・・・フォーク?
それを見た井ノ原が、驚いて長野を見る。長野は動かない。
(こんなもので、こんなもので襲い掛かってくるなんて・・・。)
「長野くんは死にたかったの?」
井ノ原は、信じられないといった表情で呆然と立ち尽くしていた。
「何でこんなことすんだよ・・・。馬鹿じゃねぇの?」
しばらくフォークを見つめていた井ノ原だったが、それを黙って拾うと
ポケットの中にそっとしまって、その場から立ち去った。


221 :108  ◆3RpkmWIM :02/07/11 01:17 ID:V24zeIch

「あれ、井ノ原くん、だよな・・・?」
二宮が歩いていた時、林の奥の方で何か物音がした。
その方向へ歩いてきてみたらそこには長瀬が倒れていて、井ノ原と長野がいて・・・。
そして次の瞬間、井ノ原が長野を撃った。
井ノ原が立ち去るのをぼーっと見送った二宮だったが、
ハッと我に返ると草の間から飛び出した。
「長野くん!!」
その近くに横たわっている長瀬にも近寄ってみたが、既に息絶えている。
「なんっすかこれ!長野くん!!長野くん?!」
二宮は大声で叫び続けた。

――坂本くんと井ノ原には、いいネタになると思ってたのになぁ・・・。
長野は、二宮の声を遠くに聞きながらそう思う。
――無駄だったじゃん、オールナイトニッキ。

まぁいいや。あの世で、ついでに茂くんと太一にも聞いてもらおっと・・・。

【長野博 死亡  残り14人】



222 :109  ◆3RpkmWIM :02/07/11 01:19 ID:TXGMoxMJ


二宮の腕の中でどんどん温もりを失っていく長野の身体。
それを直に感じながらも、二宮にはもう何がなんだか分からなかった。
これが、このゲームなのか?
こういう事をするのがこのゲームなのか?
この島で初めて実感する、初めて知った現実だった。
『何を見ても、信じてやれよ。』
木村の言葉を思い出す。
「・・・これも信じなきゃダメなのかよ。やっぱ辛いっすよ・・・木村くん。」
二宮の声が、低くくぐもった。



223 :書き溜め ◆3RpkmWIM :02/07/11 01:24 ID:V24zeIch
すいません、今日はここまでって打ち忘れました。
続きはまた明日(今夜?)です。

224 :ななしじゃにー:02/07/11 01:38 ID:DPLpgv5+
書き溜めさん、乙です。
博様のオトコマエっぷりに涙がでますた。

225 :ななしじゃにー:02/07/11 07:24 ID:zL4m02nh
博様が死ぬところ初めて見たわ。
組長の姿想像してしまった…


226 :ななしじゃにー:02/07/11 08:31 ID:JxFo4aMR
書き溜めさん毎日乙です。
博様男前ーっ(泣
オールナイトニッキ、無駄じゃないと思いたい。

227 :ななしじゃにー:02/07/11 09:40 ID:PPoBYRRK
凸に続き博様が死ぬのも初だね。
荒氏の傘、歪、Vの番長、時の紫、副将はまだどれも死んでないな。

228 :ななしじゃにー:02/07/11 17:22 ID:J6OnUOTz
乙です。博様に末っ子ーー゚・(ノД`)・゚・。 ウワアアアアン
俺様の今後も気になりまつ。

229 :110  ◆3RpkmWIM :02/07/12 00:01 ID:1JJnE7Zk

海の風に吹かれ、その香りをいっぱいに吸い込みながら、
木村拓哉は目の前に白くそびえる建物――灯台を見上げていた。
時計を見ると、14時すぎ。
12時の放送で太一の名が呼ばれた。
あの手紙を書いて、誰かを招集したその本人。
その太一は、ここにいるのだろうか。
死んだ人間がいると分かっていて、そこに踏み込むのは勇気のいる作業だった。
心を落ち着かせるためにふぅ、と大きく息を吐いた。
階段を昇り始めると、カンカン、という渇いた音が石作りの灯台に響き渡る。
ドアを開けるのにこんなに気合を入れるのは生まれて初めてだった。

勢いよくドアを開けた瞬間、鼻をつくその臭気だけで部屋の異常さが分かった。
血なまぐさい臭いに顔をしかめて部屋を見渡すと、
まるで赤いペンキを撒き散らしたかのような模様があちこちに出来ている。
「な、んだよコレ・・・。」
と、机の下から誰かの足が見える。それが中居だと分かって驚く間もなく、
その先にあった二つの死体が木村に言い知れない恐怖と衝撃を与えた。
来るんじゃなかった、見るんじゃなかったと激しく後悔した。
死んだという事実だけを受け止めるだけで精一杯だったと言うのに、
わざわざそれを見に来た自分を恨んだ。
だが、その木村を更にゾッとさせたのは、微かに聞こえてきた笑い声。
「・・・三宅?!」
その声の持ち主は、木村がそれまで気付かなかったのがおかしいくらい近くにいた。


230 :111  ◆3RpkmWIM :02/07/12 00:09 ID:1JJnE7Zk

三宅は、坂本と太一の死体から少し離れた壁に寄りかかって座り、
両足を投げ出して、一人でケラケラとかすれた笑い声をあげていた。
「お前、何してんだよ・・・。まさかこれ、お前がやったんじゃないよな?」
三宅の目に、木村の姿は映っていない。
空(くう)を見つめてただ笑い続ける三宅の瞳は、空虚で、光すら映していない。
どこか別の世界を彷徨うかのように、左右に身体が揺れている。
(やばいな、こいつ・・・。)
この惨状の犯人ではないことは、めぼしい武器がないことからも予想はついたが、
何よりも今やばいのは、その三宅の様子の異常さだった。
「こんなとこにいたらそりゃおかしくなるよ・・・三宅!おい、分かるか?三宅!」
側に駆け寄って肩を揺するも、全く反応しない。「オイ!」
しびれをきらした木村が、我慢しろよ、と三宅の頬を思いっきり殴った。
座ったまま、その身体だけがバン!と横に勢いよく倒れる。

・・・すると、笑い声がピタリと止んだ。
声をかけようと思ったが、その前に三宅が自分でゆっくりと起き上がった。
それに合わせて、木村も一緒に立ち上がる。
殴られた衝撃のせいか、まだボーッとしている三宅の様子を静かに伺っていた木村。
「三宅、大丈夫か?」
木村が優しくそう声をかけると、三宅はハッと気付いて自分のいる場所、
そして周囲を見渡す。すると、またその様子が一変した。
「うわぁぁぁぁっっ!!!!」
何かを思い出したように、大声で叫びながら両手で頭をかきむしる。
――こいつは殺されるのを見てたのか?だったらこの部屋はダメだ・・・。
「おい、もういいから何も見るな!」
行くぞ、と木村がその腕をつかむ前に、三宅はすごい勢いで部屋を飛び出した。


231 :112  ◆3RpkmWIM :02/07/12 00:12 ID:qm42DMyu

カンカンカン・・・
階段を昇る音が聞こえてくる。
――やっべ・・・。
木村は焦ってその後を追った。カンカンカン・・・と二つの音が共鳴する。
螺旋になっている階段を必死になって登ると、木村の視界が開けた。
強い風が木村の髪を激しく揺らした。
あと数段昇れば、灯台の頂上だ。

「来るな!!」
たぶんそう言われるだろうと思った。木村はそれ以上近づこうとはしなかった。
「死ぬ気か?お前。」
木村に顔を向けたまま、三宅が白い鉄の手すりをギュッと握っている。
「来んなよ!あっち行けよ!!」
涙目でキッと木村を睨みつけながらそう叫び続けた。
その視線を受け止めながら、木村は一瞬の隙をついて一気に階段を駆け上がる。
驚いてよろけた三宅の首に後ろから腕を巻きつけると、そのままグイッと上に引き上げた!
「う・・うぅっ・・。」
腕をつかんでもがく三宅を、力任せに手すりの方へと押し出す。
木村が腕を放すと、手すりから乗り出した三宅の上半身が、
ぐいん!と重力に引き寄せられた。
「うわぁぁぁぁぁっ!!!」


232 :113・ここまでです。 ◆3RpkmWIM :02/07/12 00:21 ID:pdJAnSwc

その身体が落下する寸前で、ガッと木村の手が三宅のシャツの襟元をつかむ。
危機から免れ、再びこちらへと引き戻された三宅の膝はガクガクと震えていた。
支えをなくし床にペタンと力なく腰をつく。
顔は既に涙や汗でぐちゃぐちゃだった。
「バカな事すんなよ・・・。な?」
ため息まじりにそう呟き、三宅の顔を覗き込む。
だが三宅はその視線を受け止めもせずに、震えながら小さな声を漏らした。
「井ノ原く、ん・・信じてたのに・・皆をあんな風に・・・。」
木村は、そんな三宅の肩をつかむと何回も揺さぶった。
「落ちそうになって、怖かっただろ?!死にたくないって思ったろ?!
あいつらもきっと同じように死にたくないって思った。けどもう死んだ。
でもお前はまだ生きてんだぞ?!だったら最後までしっかり生きろ!」
「う・・うぅっ・・・」
木村の怒鳴り声に、三宅の顔がみるみるうちにくしゃくしゃっと歪む。
「ごめ・・・なさい。」
そう一言こぼすと、今までこらえていたものがこみ上げ、グッと喉が鳴った。
「分かったから、全部吐け!全部吐き出せ!」
三宅の嗚咽を聞きながら、その背中をさすってやる。
そうしながら、その確かな温もりを手のひらに感じた。
そして下の部屋に転がっていた仲間、後輩の冷たい身体・・・。
木村は、こみ上げてくる悔しさに唇を噛み締めた。


233 :ななしじゃにー:02/07/12 00:53 ID:EZY9xkhH
乙です。

・・・木村カコエエのう・・・

234 :ななしじゃにー:02/07/12 01:48 ID:q58qqV15
書き溜めさん今夜も乙です。
狂った☆コエー。
けど、キム様に拾われてヨカタね。
できればバンチョに会わせてやりてぇ。


235 :ななしじゃにー:02/07/12 10:37 ID:oNJPVXP6
キム様&☆…泣けました。

普段交流なさそうな異Gのメンバー間のドラマが
読めるというのもすごく(・∀・)イイ!!

236 :ななしじゃにー:02/07/12 16:17 ID:tNmg3RyP
会社で読んで涙こらえるのが大変ダヨ(w

237 :ななしじゃにー:02/07/12 16:46 ID:EcEpW9MI
いつもワクワク読ませていただいておりまする。
ところで、各バトロワ姐さんと愛読者のみなさまに質問つーか、ご相談です。
小説物ということで、1スレあたりのメモリの消費量が多いわけですが・・。
(書き溜め姐さんで現在150KB、通常のスレで900後半まで使って
130〜160KBぐらい)
恐怖の夏ということもあるので鯖負担も考えて、
こまめなお引っ越しをしたほうが良いように思われるのですが、
いかがでしょ。


238 :次スレで完結させたい書き溜め ◆3RpkmWIM :02/07/12 20:10 ID:qm42DMyu
237さん、ご意見ありがとうございます!
今、ちょうど折り返し地点なので
引越しするなら丁度良い機会かもしれないですね。
この先の進行を考えると(続くシーンなどもあるので)
できれば今日の更新分から次スレにしたいと思うのですが
どこかいいリサイクルスレありますかね・・・

239 :ななしじゃにー:02/07/12 23:35 ID:iGRw0UO9
書き溜めさん、今日も乙です。

リサイクル、ここなんてどうでしょう?
ttp://tv.2ch.net/test/read.cgi/jan/1022999335/l50
スレタイ艶かしいですけど・・・(w

240 :荷造り中@書き溜め ◆3RpkmWIM :02/07/13 01:07 ID:fWewrvAv
なる程、確かに艶かしい・・・(w
カナーリ下にあるスレですね。
じゃあこれからそちらに移動いたします。
239さん、ありがとうございました。
軽い集計と、ご案内含めて今準備中ですので
もう少しお待ち下さい。

241 :お知らせ ◆3RpkmWIM :02/07/13 01:55 ID:fWewrvAv
皆さん、いつもありがとうございます。
読んでくださる方がいるおかげでこうして続けられます。
お引越しして、今夜からは次スレに更新です。
http://tv.2ch.net/test/read.cgi/jan/1022999335/l50

もう少しの間だけ、書き溜めにお付き合い下さい。
宜しくおながいします。

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