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新・一緒に暮らすならどの娘?part4(何でも有り)

278 :我犬。 ◆N0E.Nono :02/04/06 10:27 ID:ey99kYVC
-103-

「ごめんなぁ。そんな訳やったんや。
だからなんか他人に思えなくてな。言うなよ。」

中澤先生は少し照れながらグラスを傾けた。
オレは首を縦に振り、薄いグラスに口をつけた。
濃厚な香りのワインは、体にすっと染み込む感じがした。

「なぁ頼む。裕ちゃんって呼んでくれへんか。一回でいいから。」

中澤先生は、体をオレの方にずらしながら手を合わせる。
突然の中澤先生の言葉に戸惑いを感じながらも口に出した

「ゆ、ゆうちゃん」

なんかオレは緊張した。
さっきの話を聞いてオレは中澤先生の亡くなった彼氏と重ねられているがわかり、
今の自分がその亡くなった彼氏の代わりになっていると思うと
自分が自分でなくなるような気がした。

「もう一回。」

中澤先生のやや強い口調に反射的にオレは同じように繰り返す。

「ゆうちゃん」

さっきと同じように言ったつもりだけど、どこか無意識に優しさを込めた
言い方になっていた気がした。

中澤先生の目からうっすら光っていた物がこぼれる。
それはまさにポロポロと表現できるほどに頬を転がっていった。
見たこともない高校生の時の中澤裕子がそこに居る気がした。
いつものように鋭さのない柔らかな眼差し。
その奥に寂しさと悲しみが同居しているのを隠す強気な壁。
その壁が壊されて、決壊したダムのように涙となってあふれてくる。

「ありがとう、ありがとう」

細長い指先で涙をぬぐう。
どこかごっちんに似ている。
アルコールは今まで自分の中にある隠していたいものや
感情などを囲っている壁を崩壊させる。

「ヒロキは、さっき自分は情けない奴って言ってたけど
 うちは、こんなこと、ヒロキにお願いしても自分で情けないなんて
 全然思わへんで。
だって好きやったらなりふりかまってられんもん。」


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